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冬の能登紀行 その6

冬の能登紀行 その6


旅館の前の道は、海岸線に沿っている。
旅館のそばには、ほとんど建物はない。
旅館は珠洲市というところにあるが、
すぐそこに見えるトンネルをくぐると、輪島市になる。
ちょうど市の境になっているのが、この「垂水の滝」だ。



山の上から直接海に流れ落ちる珍しい滝で、
冬の風の強い日には、水が吹き上がって「逆滝」になることもあるという。
来るときには気づかなかった。
海岸に出て初めて気づいた美しい滝。



この地に来て気づいたことだけど、
このあたりは、ほとんど飾り気がない。
景勝地がいっぱいあるのに、
お土産らしいものもほとんどなく、
というか、私が若い頃に訪れたときから変わっていない、というか。
こういう風景を見ると、
若い頃、イーゼルやキャンバスを持って、
暑い中でも、寒い中でも夢中になって風景を描いた、
絵に情熱を傾けていたころのことを思い出す。





10時にチェックアウトし、海岸線を輪島へと戻る。
昨夜の雪で、道はところどころアイスバーンだ。
ノーマルタイヤなので、スリップしないように、
できるだけ轍をゆっくりと走る。
下り坂は特に気を使う。

平地になり、輪島市街にはいってほっとした。

朝市の開かれている近くに、大きな駐車場があり、
そこに車を入れ、ノエルも連れて朝市に立ち寄った。



ビニルシートで覆われた露店も、
そこで海産物や手作りの民芸品を売るおばさんたちのいでたちも、
輪島塗の店で売られている漆器たちも、
20数年前と変わらない。
こんなに大きく世の中が変わっているというのに。

カニを売っているお店で、茹でガニを試食させてもらい、
ノエルも一口食べさせてもらった。



人の多さにびっくりしていたノエル。
おとなしく抱っこされて、また新しい世界を体験したね。


昼前まで輪島でのんびり過ごして、いよいよ帰路についた。
帰りもトイレ休憩をところどころでとりながら、
マイペースで走った。

雪景色がなくなったのは、伊吹山を過ぎたころからだろうか。
パーキングエリアで外に出ても、
それほど寒さを感じなくなってきた。

京都を過ぎ、吹田を過ぎ、豊中を過ぎ、
ついに六甲の山並みが見えてきた。
中腹まで続く光は宝石箱のようだ。
西宮から、車間距離が短く、路肩が狭く、
防音壁に覆われた阪神高速に入ると、
ああ、帰ってきたな、と思う。

ノエルは後ろの席でお姉ちゃんにもたれかかって、
すっかり夢の世界に入っていた。


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