2007/08/27(月)09:34
不運な女神 唯川恵
文庫: 319ページ
出版社: 文藝春秋 (2007/03)
★★★★☆
様々な場所で様々な人生を送る女性を中心に描いた、切なく、そして逞しい短編集。
人生に疲れた人はこれを読んで励みにして下さいw
~道連れの犬~
頼子と吾郎は駆け落ちしてきた間柄だ。そして、吾郎が浮気性だということが分かる。
居なくなった吾郎を探していると様々な女性に「ちょっとお時間いただけませんか」とか「お会いできませんか」が口癖になってしまった。そして、そうやって声を掛けた女性はしぶしぶ会ってくれた、のだが…。
~不運な女神~
飲み屋を細々とやっている祐子は夫を脳出血で亡くしている。
残された娘と姑の3人暮らしだ。しかも10歳の娘は死んだ夫の連れ子だ。
こんな人生のはずじゃなかったのに…。
~凪の情景~
病弱だった夫の弟が見つかった。今度入院したら戻れないだろうと考えた弟は「そろそろ行こうと思います」という手紙を残し逝った。
~枇杷~(ビワ)(読めませんでしたw)
不倫の末の結婚、そして今度は同じ運命を辿ることになってしまった佳奈子の許には枇杷が毎年届く。
その枇杷の送り主とは意外な人物であったのだ…。
~ドール・ハウス~
女だらけの一家のお話。
「これが大おばあちゃんね、それで、これがおばあちゃん、これがママ、で私」とおもちゃで遊ぶ一番小さいおちびさん。なんともこの一家は男運が悪い家系であった。
~桜舞~
桜の木が見える景色が、マンションの建設により伐採されるかもしれない。今までの景観は台無しになる。
住民一丸となって反対運動をしていると、思わぬ人物がそこに入居することが分かったのだ。
~帰省~
上京して以来、ずっと男の都合に合わせて生きてきた要子は久ぶりに田舎へ帰省したが、独り身になった母は白内障も患い相当年老いていた…。
とっても切ない一編。
~彼方より遠く~
何をやってもノロマでダメなやつと言われ続けてきた由紀江は今日も自転車で小さなスナックに通う。
解説:山下久美子さん
唯川さんとのコラボCDを出しているらしい。
山下久美子さんといえば布袋さんとのコラボ初CDが良かったなぁ。
不運な女神 文庫