2007/12/10(月)19:02
雪国の人
雪国の人なら自然と身についているしぐさ。
歩いている道の向こうから人がやってきたら、一歩横にからだをよけて道を譲ること。
人が歩く道はひとりが通れるくらいの幅しかないので、そうやって道を譲り合うのだ。
それはどちらかが合図をするわけではなく、阿吽の呼吸で行われる。
譲られた人は少し急ぎ足ですれ違う。その時に言葉をかけたり目で挨拶をする。
車を運転していても同じことがある。
雪で道幅が狭まり、すれ違うのに不安をおぼえるようなとき、どちらかが停車して道を譲る。
先日、通勤路で坂の上からトラックがやってきた。停まろうと思うと同時に、そのトラックがパッシングして停車してくれた。
いつも事務所に来てくれるヤマトさんだった。
この事務所には入り口が二つある。正面玄関と裏口だ。
駐車場から近いのは正面玄関。雪が多い日は裏からの出入りはしにくい。
Wさんはいつも裏から入ってくる。
昨日もそうだった。
どうして裏から入るのか問うと、暖かい空気が逃げないようにとの心遣いだった。
ラウンジも事務所も正面玄関に近い。暖房器具もそちら側。
幾人も出入りがあると、暖まった部屋が冷えてくるのは確かだ。
やさしい人たちだ。