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実妹が日本を離れる日。ネットも電話も今日の午前中で取り外すので、昨晩日本で最後の電話をする。つい先日会った時は実感がわかなかったが、声だけを聞いていると寂しさが去来する。出発の日ギリギリまで家の片付け作業があるので、あちらは忙しく気もそぞろであろうが、こちらは静まり返った部屋の中である。
日本を出るまでに美容院に行きたいといっていたが行けたのかとか、フライトナンバーや時刻、片付けの苦労などを話す。最も長く彼女が話したことは猫のことであった。いつも猫だけ日本においてあちらへ行っていたのだが、今回は一緒に連れて行く。預り荷物と一緒ではかわいそうと、座席の下に「手荷物」として置けるアメリカの航空会社にしたらしいが、長旅に老猫が耐えられるだろうかと心配をする。それよりもずっと手続きや引越し準備で疲れきっている自身を心配せよと言う。 遊びに来てねとこれまでも何度も言われていた。24時間のフライト、行くなら10日以上は休みを取りたい、そうするとなかなか日程調整ができずにいた。「いつか」行くつもりではあったが、「いつか」を口にする時はたいてい実現しようと行動しないもの。 しかし今度は、晩秋の頃であれば行けるだろうかと考える。 これから実妹が長く暮らす場所は、私が暮らす場所よりもイナカで、薪割りや家庭菜園、大工仕事が日常である。家の庭続きに湾がありシーカヤックで漕ぎ出しサバを釣って夕食にする事もある。姉妹そろって中年になってからイナカ暮らしをするとは、想像もしてなかった。何だかおかしい。 彼女の夫の家族が近くに住んでいるが、40を過ぎてからの新しい場所での暮らしは、友達もおらず大変な事も多いだろうとちょっと心配する。 実妹から預ることとなったアンセルアダムスの2枚の写真額も壁に納まり、義弟(事実上こうなるのだが、年上の為弟という実感はなし)の父親作成のコーヒーテーブルには既にカップや本が置かれている。 きっとこれらの品を見るたびに、この夜の気持ちを思い出すのであろう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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