一年を振り返って。だからこそ行きたかった場所
今日はちょっと「センチメンタル」なお話です。ごめんなさい!::::::::::::::::::::どれだけぶりだろう。この道を曲がり、この信号待ちでドキドキして、そして立体駐車場をあせりながら曲がって上っていく。「やった!!ラッキー。ちょうど通路の前の一番止めやすいところが空いている。今日はお迎えぎりぎりまにあったわっ・・・・。」いつもそうおもった駐車位置。今日はなぜかまっていたかのようにちゃんと空いていた。・・・・・・・ほんの、ほんの ほんの ほんの 1年チョット前。いつも急いで駆けつけたお迎えのセオリーロード。3年間通いつづけた見慣れた道。 何度あせって仕事着のサロンエプロン(ネイルの先生のお仕事)をつけたまま 急いで走って「すみませーーん」とこのドアを開けたことだろう。先生たちの「おかえりなさーい。ほら ママだよー」と暖かく笑顔で迎えてくださる姿。いつも一番最後のお迎えになってしまっていた息子が 慌てて靴下もはかないまま(笑)「ママーー」といって掛けてくる。Hug! 1日疲れて働いても何よりのご褒美。何よりも幸せな時間だった。いまでも目を閉じるとあのときのお部屋の匂い、じゅうたんの柔らかさ、走ってきて抱きついたときの息子の髪の香り。先生たちが色々と教えてくださる今日一日どんな風に過ごしていたかというお話を本当に嬉しくききながら「ありがとうございました!またあしたーー」といって息子の小さな手を握って帰る 帰り道。 階段を下りて,「アイスクリームたべるー」とわがまま言われて毎日困り果てたこと。「きょう何先生とお話したの?」「○×▲☆※※× だのーーー!!」・・・・・・・・・・・うーん うちの息子は英語どころか日本語もどうなんだろう。スクールは楽しくていってくれているのかな。ママのお仕事の都合だと思っているのかなあ。そんなことを思いながら本当に毎日。毎日。 通ったのです。この道を。この場所私たちの「世界でたった一つのプリスクールを作ろう」は この場所にこなかったらけして始まらなかった。初めての子育てに悩む普通の親として。やんちゃなばっかりで言葉もなかなかでず日々どうしたものか泣きたくなるようなことも一杯で、言葉もしゃべらない小さな息子と家のなかで追い詰められるような気持ちで向き合っていたあの3年前。この場所は、外国のような雰囲気で明るくて素敵で綺麗で楽しくて。私が考えていた「保育所 託児所」といったイメージとはまた全然違う場所だった。「プリスクールってなあに?」そんな気持ちでドアをたたいたっけ。本当に目を閉じるとその扉の向こうで「ママーおそかったねえ。今日は僕のほうがさきだよ」といって先に迎えにきて息子と遊んでいた夫の様子や 可愛がってくださった先生ひとりひとりのお顔。 そして 尊敬していたマネージャーさんの「おかえりなさい」という声が聞こえるようだ。あれからもう一年がたったのですね。目を開けてみるとその「場所」は、冷たく閉ざされたドアは締め切られ 企業さんの倉庫になったスペースはひっそりと誰もいない。そっと ドアの取っ手にふれてみる。よくみるとドアには毎日みていたスクールのロゴが貼ってあった後や、こどもたちへのお知らせがはってあった跡がうっすらと残っている。確かに。確かにここにあったんだよね。 あったんだよね・・・。「ありがとうございました・・・・・・」気が付くと止め処も泣く涙が流れ、言いようが無い切ない気持ちで胸が一杯になって。声に出して言っていました。「ありがとうございました」一年経って私の今胸に浮かんだ言葉はたった一つ。この場所がなかったら、今の私たちは絶対にない。あの1年前の突然の閉鎖、その後の悲しい経験。つらかった、苦しかった。息子に説明することができなかった。 でも・・・そんな思いは月日とともに薄れて消えてしまった。昨日の卒業式で感動に胸を熱くした、本当に大変で 忙しくて、寝るひまも無い日々だったけれどなんて素晴らしい日々。わたしたちが世界でたった一つのプリスクールを作ろう、どうしても作ろう。と雨の日も風の日もつらい日も乗り越えてこられたのは、「ありがとうございました」この閉鎖されてしまった息子の大好きな場所。彼にとって人生ではじめての学校プリスクールのおかげなのだから。「ありがとうございました」冷たい雨がじゃんじゃん降る中いつまでもドアに手をあてて泣きじゃくっているおばちゃん(私)は超不審者であったに違いない。だけれど一年経って無事自分達の「世界でたった一つのプリスクール」の卒業式を終え、新しい年に歩みだしていく今やはり原点である「ここ」に戻ってきたかった。「本当は 今でも笑って”すみませーーん。遅くなりましたー”っていいながらここに息子を迎えにこさせていただきたかったですよ 私。」今はもうきっとお目にかかることもないマネージャーの笑顔を思い出しながら話し掛けてみた。どうしていらっしゃるだろう。お元気で幸せでいらっしゃってほしいなあ。一杯泣いた、泣きつかれた。そして顔を上げたときに思った大好きな「先生のお家」が突然閉鎖されたことで泣き続け、最後まであきらめなかった息子の気持ちが私たち夫婦を「世界でたったひとつのプリスクールを作ろう」と動かしたことはこの先も変わりない。でももう「それだけ」が理由ではない。私たちは 「この場所に子供を預けていたパパとママ」から 一年掛けて今やこんなにかけがえの無いたくさんのご家族に信頼され、反対におこさんをお任せ頂く立場の「スクールパパとママ」になったのだから。もちろんこれからもまだまだ成長する必要や学ぶ必要ややることは一杯あるだろう。でももうここから歩き出せる気がする。スクールだったその「場所」に最敬礼をして、息子が大好きでいつも迎えに行くと走り出し「まちなさーい」と追いかけた陸橋を一人であるく。冬には雪が一杯つもって綺麗だった、春には一杯お花が咲いてきれいだったフラワーポットには息子が2歳だった頃と変わらずにきれいにパンジーが咲き始めていた。「よしっ がんばるぞお!!」もう泣かない、もう振り返らない。私たちは たくさんの大切な子供たちのスクールパパとママになったのだから。「コーヒーでも飲みませんか?」気が付くと陸橋の一番端っこの階段のところで 車で待っていたはずの夫が寝てしまった息子を抱っこして笑っていた。変わらない笑顔。まるでここに通っていた日と同じように。だけどこの一年の激務で10キロの痩せてすっかりスリムになってしまったパパ。「うん」1階の喫茶店で眠ってしまった息子を抱きしめながら飲んだコーヒーはとってもあったかくて心と体に元気をくれた。新しいスクールイヤーが始まる。 さあ、私たちは一杯の笑顔で子供たちを迎えよう。