田舎は空気が悪い
稲刈りが終わり、もみを焼く季節がやってきた。べつにこれは昔からあったこと。数年前まで特別な事は無かった。ある年のこの頃から突然、毎晩毎晩、家の外も家の中も強烈な刺激臭に包まれる日が続くようになった。目は痛く、外も家の中も呼吸が苦しい。ずっとスモークされたものをかがされている感じ。ノドは痛く、咳き込んでしまう。だいたいいつも18時から深夜にかけて。なので、ただでさえ季節の変わり目で体調管理が大変なのに、眠ることすら許されない。ずっとその原因がわからないまま、5日間が過ぎた。咳き込み、眠れず、もう体力的にも精神的にも限界だったころ、原因がわかった。ある家のある人が、その年から、もみ燻炭をドラム缶で少量ずつ、暗くなった頃から焼くようになった。野焼きは法的に禁止だが、特例がある。農業でのやむを得ない野焼きだ。ただこれ、やむを得ない野焼きなのか?これまでのように、田んぼに山のような籾殻に煙突さして焼けば一気に終わるのよ。けどこれ、ドラム缶でより燻製されたもみを作る為でしょ?品質向上でしょ?ネットで調べてでしょこれ?これでもやむを得ない???役場にも相談した。市議の人にも相談した。実際来てくれたけど、焼いてない昼間。そして「違法でないから」という軽い返事で終わった。役場も終了した時刻から焼き始めるんだもん。いちばん煙い頃には来られないよね。もしかしてそれ狙ってその時間帯に焼いてる?なんて思えてしまうくらい。同じ地域の同年代の人にも思い切って相談した。そしたら、結局「我慢するか、出て行けば?」といった内容の返答だった。あまり騒ぐな、という事だそうだ。迷惑らしい。この季節は北風なので、風上であり地形的に影響ないと想像の家。しかもこの家の人、家の近くに炭焼き窯つくって毎年冬の炭を焼いていたから、その手前、言いたくないのだろう。負い目かな?人の事言えないことやってきてるのだから。これが田舎の現実。それと、田舎はやたらと喫煙者が多い。そして祭などは喫煙者ファースト。「禁煙」と表示の国の有形文化財の入口出てすぐの壁際に灰皿が置いてあり、そこが喫煙所になってる。コンビニの入口すぐ横に灰皿が置いてあるようなもの。祭の時は少しだけ離れた一番良い場所に、出店のすぐ横ににテントで屋根しただけの喫煙所が設置される。もちろん壁はない。小学生などのこどもたちが行き交う中、大人はモクモク。祭はタバコで煙い、という印象が大きい。住民が少なく、のどかな場所ほど、外から来た人が人の目を気にすることなく我が道を突き進む一人勝ち状態。現にこの人も婿養子で他地域から来た人だ。好き勝手し放題、やりたい放題。まさに、やったもん勝ち。マナーを守ろうと、自分がやりたい事をなりつつ、同じ地域の住民に迷惑を掛けないように心配りする人が損をするのが田舎。これが現実。田舎の役場も、表面的なことばかり力入れて、住民が日々生きていく為に必要としていることは後回しだ。とても口が裂けても「ここは良いよ~」「是非移住を」なんて言えない。ここはそんな、とてもとても残念な場所です。コロナ禍からのリモートで、自然に囲まれた環境で、時間も自由にのびのびと過ごしたい、なんて、緑豊かで静かで、鳥のさえずりが心地よく、隣の人の音の干渉もなく、空気も綺麗で健康に良さそう、てな想像をしてる人がいたら、それは幻想です。実際、そういう場所はあるかもしれないけど、ここは違う。ここで生まれ育った私が、他県から来た人によそ者扱いされいじめられたのも事実。いいこと無いよ、この田舎。