アイデンティティー を観たよ
2月に録画したっきり何故か放置プレイしていたこの映画、暑くてダレまくりながらも観てみたら、なんとも面白ーい。見始めて10分もしない内に暑さなんか忘れてしまっていたかも。カテゴリーで言うと「サイコ・サスペンス」になるのかな?前半部分はアガサ・クリスティー調のトリッキーなミステリー。時折割り込んでくる「刑執行前日の死刑囚」の話題も、この先どう展開していくのだろう?とワクワクさせてくれるばかりで、ちっとも邪魔にならない。別々の話だとばかり思っていたことが、後半になって見事に1つになっていくあたりは、ファイト・クラブを思い起こさせる。キャスティングもなかなか良いなぁと思った。いつもは妙な脂っこさが気になるジョン・キューザックも、この映画では敢えて抑え目な演技で、油分の分泌も少な目なのが◎。出てくるだけで誰もが「怪しい!」と感じてしまうレイ・リオッタ、アイスブロンドじゃないから違う人かと思ってしまったレベッカ・デモーネイ、17歳のカルテでの演技が忘れられないクレア・デュバル等々のかなり濃い目の人達が、短時間できっちりと各自の仕事をこなしているのも◎。見終わってしまうと、実はそれほど珍しい話ではなかったことに気付くのだけど、ここまで引き込まれてしまうのは、やっぱり脚本と編集の良さなのかな。最後の最後までしっかりと楽しめた1本だった。