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テーマ:Jazz(1958)
カテゴリ:A Merry Jazzmas
~~Spirituals,Hymns and Folk Songs~~
5/16の日、ハンクジョーンズが天に召されました。92歳だそうです。 新潟で2月に行われたコンサートが、彼の人生の最後のコンサートだったようです。 この時期はわたしは、毎日が針のムシロ状態で新潟と東京を行き来してたので、、演奏を聴くことは不可能でしたが、、そのライブを聴いた人達の感動はインターネットの文章を通じてでも手に取るようにわかりました。 何でも中途半端なわたしなので、、彼を語ることなど、、難しいのですが、、、 黒人特有の陽気さ、ノリって言うよりは、とても端正な品のあるスタイルだとおもいます。それは常にスーツを着てネクタイを締めてる紳士なお姿にかぶるものがあります。派手さ、過剰なもの、、そう言うぱっと見を重視する華々しい部分と対極にある姿勢がスタイルにもよく現れていると思ってます。わたし的には「やり過ぎない美学」、、とでも言うんでしょうか。。 で、そこに、長い間の黒人差別への悲しい歴史をみることは、決して考えすぎではない気がします。この真摯な部分が、日本人の心の機微とあうんでしょうね。日本にも、多くのファンがいらっしゃいます。GJTって、とても人気がありましたよねぇ。 と、、前置きが長くなりましたが、、先週、、バタバタしているときに彼の訃報を知りました。最初に浮かんだアルバムがこれです。その少し前に、キースとヘイデンのジャスミンをブログにあげていてわたしは、、、偶然とか、、あるのだなぁ。。って、思いました。 「Spirituals,Hymns and Folk Songs」という、副題がつくように、、アルバムは、ヘイデンの1曲を除いて、黒人霊歌、賛美歌などのよく知られた曲ばかりなのです。下記にあるタイトル見てもピント来ない人でも、聴いてみると、、何処かで一度くらいは聴いたことがあるような曲が多いです。ゆっくりしたテンポでメロディをかみしめるように演奏する2人。。 1曲目It's Me, O Lordのその静かな穏やかなピアノ音に思わずほっとする。 それは何度聴いても、いつ聴いても同じ。朴訥したベースとかわされる会話は毎週礼拝に来る信者の挨拶みたいに普段の言葉。帽子を取って、「やぁ。今日もお天気良いね」みたいな。ベースがテーマをピチカートでとるNobody Knows The Trouble I've Seen。たんたんと語るベースに、ピアノが頷くような相づち。。最後は「まぁまぁ、、そんなこともあるよね」なんて感じで一緒に歩きながら。ちょっとテンポがはやくなって、おしゃべりがはずむSpiritual。人生は、良いこと悪いこと、、いろいろあるね、なんて感じ。Wade In The Waterは、その曲調もあってかなりジャズ心溢れた演奏に。Swing Low, Sweet Chariot、、最後のピアノのワンフレーズがお辞儀のよう。 ここまで来ると、、誰もがその静かでギミックなしの演奏の根底に流れる心の声に気がつき、、知らぬうちに自分の時間もとまりそうになっていると思う。。 と。。このあたりから、、わたしの心は本当に本当に遠く時間の果てに飛んでしまいそうになる。 時には母のない子のように、は、その切ないメロディとも相まって胸がつぶれそうに切ない気持ちになる。 感情を抑えたとても美しいピアノから始まる。この1曲聴くだけでも充分なくらい好き。 2つの音を重ねあわせる幸せをかみしめるようなL'Amour De Moy。アイルランドの民謡The Londonderry Air、、またの名をDanny Boy。思い出の扉を開くように始めるピアノは、何処までも清く美しい、、そして、郷愁が降り注ぐ。 手を取ってかけっこするようにI've Got A Robe, You Got A Rob。大地を踏みしめるように一緒に歩くSteal Away。幼子のような純粋さで始まり、グルーヴィな大人の会話になるWe Shall Overcome。少しだけ抑えていた感情があふれ出すような。。Go Down, Moses。常に変わらぬ姿勢を保つことが、、大切と問われてる気がしちゃう.My Lord, What A Mornin'。 さて、最後は、、Hymn Medleyです。Abide With Me、Just As I Am Without One Plea、What A Friend We Have In Jesus、、Amazing Graceと、ひたすら淡々と綴られていく。。 初めて聴いたときから、、何もすごいことはしていないけど、心から参ってしまう音楽だと思ったのでした。。 ヘイデンって人は、多くを語らず、じっと相手の言葉に耳を傾け、しっかり待つことで相手の本音、本心、、を演奏に引き出すことがうまいのだろうなぁ。。って、おもいます。 彼らは、、特にハンクジョーンズは黒人の悲しい歴史が閉じこめられてるシンプルで美しいメロディを感情を抑えてたんたんと弾きます。でも、メロディだけが耳に入ることはなく、、その演奏はいろいろな哀しみを乗り越えた悠然とした感があり、、安らかさの中に、丁寧で誠実な声が響く空気の中に、、人生の重たさを感じると思います。わたしにとっては、クリスマスの精神そのものような気がする、立派なクリスマスアルバムです。 ハンクジョーンズは煙草もお酒も自制していたようですが、、人には寿命というものがあります。 ついに、、天国でジョーンズ3兄弟が揃うことになってしまいましたね。 心からご冥福をお祈りするとともに、、、不謹慎なわたしは、、つい、、天国のライブハウスの賑やかさを想像してしまいました。「お兄ちゃん、、久しぶり、、」なんて、感じかな。 しかし、、しかし、しかし、わたしって、、喋り過ぎだよねぇ、、、。 まだまだ修行がたりませぬ。。 1.It's Me, O Lord (Standin' In The Need Of Prayer) 2.Nobody Knows The Trouble I've Seen 3.Spiritual 4.Wade In The Water 5.Swing Low, Sweet Chariot 6.Sometimes I Feel Like A Motherless Child 7.L'Amour De Moy 8.Danny Boy 9.I've Got A Robe, You Got A Robe 10.Steal Away 11.We Shall Overcome 12.Go Down, Moses 13.My Lord, What A Mornin' 14.Hymn Medley Abide With Me/Just As I Am Without One Plea/What A Friend We Have In Jesus/Amazing Grace Charlie Haden (b) Hank Jones (p) 先日の、ライブの時に、、わたしはいろいろなことを感じたのです。 どんなに、、ネットの時代になっても、人と人は同じ空間で繋がることが大事なんだなぁ。。って。わたしは、暖かな気持ちの人に恵まれてるなぁ。。っと。 フラッシュのマスターを始め、ご自身のお店を放棄(ではなくて、まちこママがいるけど)していらしてくれたキャッツハウスのマスター花村さま、お忙しいのに声をかけたらお時間さいて会場にいらしてくださった方々、、個人の名前を出して1人1人にお礼したいくらいです。時間はかかりそうだけど、、感謝の気持ちは何かの形でお返しできるようにしたいなぁ、、って、心の中で誓いました。(きっぱり)ありがと、でした。 意外と気弱なので、なんだか眠れなくなりそうになったわたしを影で支えてくださった方に感謝いたしております。 とても、面白くて貴重な体験をさせていただきました。 外山さん、ありがとぉ。 そう、お写真沢山もらったのですが、今、それを保存する無料のデータースペースがいっぱいになってしまってます。 また、無料のスペースかりますんで、、ちょっと、お待ちください。 そうそう、気分的には1から自分の発想のイヴェントやライブの方が気分は楽かもしれないね。 結果がどうであれ、責任は自分だ、って感じで、、すませられるものね。 つうことで、今度は、東京でクリスポッター誘致だ!(爆) んじゃ、退散♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月25日 17時56分11秒
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