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テーマ:Jazz(1961)
カテゴリ:JAZZ
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この罠は恐い。。 かなり恐ろしい。。。。 妖艶な赤い口紅に誘われて寄ってくる男を手玉にとって、虜にしてしまおうって策略。 ふらふらと近づくと痛い目をあうのは間違いない。 でもね、イヴが林檎を食べて以来、、この世には痛い目に遭いたい男も女も絶えることがないのが事実だったりして。。 お盆前にあげてしまいたかったな、、って、勝手に思っている一枚。 大西さまオリジナル3曲、スタンダード、ミュージシャン曲で8曲! 幕開け、静かに緞帳が上がるとコンガが鳴り、低音で地獄の底からはい上がって来るようなピアノが鳴り響く Tutti。 まさに風雲を急を告げる感じ。 えっと、ここから3曲大西オリジナルなのですが、それぞれまったく曲想が違うものなのですが、、3つ一気に聴くことをわたし的にちょうお勧め。地下の小さな劇場で舞台をみているような気分になりますから。 不気味の咆えるカーター、憑かれたように唸るペイトン、すさまじいエネルギーをアヴァンギャルドに発散しながらもきちんとまとまりがあるサウンドはラテンのリズムとともに一気に駆け抜けていく。いきなり切り札を突きつけられた感じ。 ちょっとノスタルジックなセピアなムードの幕開けは、マルサリスのバンドサウンドがよぎったりするが、ノリがよくても硬派なピアノが潔いhe Mother’s (Where Johnny Is)。 The Threepenny Opera、タイトルからして、三文オペラですからねぇ。このアルバムでは4曲がダブルベースになっていて、リズムやテンポに対してもできるだけ自由に奔放に力強く、という感じなのですが、まずは2人のベーシストの洒脱な会話を予定調和で終わらせる終わらせるはずもなく、大西さまが物言い風に(爆)絡むあたりから、場面はドラマチックに展開していき、管が絡んでドタバタから、いきなり3管ハードバビッシュなかっこいいアンサンブルが聴けたと思えば、カーターのバスクラが唸りだすし、まさに落差、予想外の展開をねらった場面展開が回転部台のようにツギツギとあらわれて行くわけです。いや、いや、すごいです。はい。トロンボーンのゴードンのウィットも効いた存在感を示していて、それぞれにスポットライトがあたるわけですが、だから、いわゆるソロの回しって、言うのでもなく、気がつけば、20分にもなろうと言う大作。後半のエンディングに向けての大西のピアノは圧巻でござる。ピアノの化身。 ピアノの化身は、ピアノの女神に。ソロでStardust。 しんみりなりやすいバラードですが、まさに煌めくような音を敷き詰めて高揚感のある演奏。 アルバムに顕著に匂い立つミンガスへの敬意。その彼の曲、Meditations for a Pair of Wire Cuttersを。 もちろん、これもダブルベースで。テンポ、リズムのコントロールによって生まれる、解放と弛緩の快楽を思いっきり「官能」しませう。 エリントンで有名なFlamingo。ワウを使ったりして、少しひねり入れながらも優雅に。 トンプソンのThe Street Beatとモンクの52nd Street Themeの合体曲で、アップテンポでイケイケでダブルでね。紳士淑女の狂宴が見えてきます。はい。 最後はベニーグッドマンでお馴染みMemories of Youをソロで。 ソロでは、女性的な美しさ、可愛らしさも時々見えますが、やはり、きっぱり、はっきりした性格の方が演奏の前にでると思います。流麗な演奏であることには違いありません いや、すごいもんです。 何がって、一つの目標?理想?に向かってばく進する精神力。 そして、現代社会、ジャズも含めて小手先の技術に翻弄されてる世界に対して、何か啓示を突きつけたような重さも持つアルバムです。原始的な太古の昔からある力、、生命力のような強さを感じる。 暑気払いができる一枚です。 帰ってきたご先祖さまと聴いて欲しいなぁ、、って、ね。(笑) 1. Tutti 2. The Mother’s (Where Johnny Is) 3. The Threepenny Opera 4. Stardust 5. Meditations for a Pair of Wire Cutters 6. Flamingo 7. The Street Beat/52nd Street Theme 8. Memories of You Junko Onishi (p) Nicholas Payton (tp) James Carter (ts,as,b-cl,fl) Wycliffe Gordon (tb) Reginald Veal (b) #1,2,3,5,6,7 Rodney Whitaker (b) #1,3,5,7 Herlin Riley (ds) Roland Guerrero (conga) #1 去年は「MASICAL MOMENTS」で話題をさらった大西順子。 あれもすごかったとは、、思います。 個人的には、小さな声で、、こわごわ言ってしまうと、、 好みのピアニストではないのだけど、その気の強さに惚れててメジャーな日本人の女性の演奏家ではなんだか応援してしまうピアニストなのでス。そもそも、メジャーな方の邦人のCDをお金を出して買うと言うのはわたしには珍しいことなのです。 ジャズの世界も男性中心の世界で、若くて美しくて、しかも才能ある女性演奏家が出てくると、必要以上の価値がつき、、、気がついたときには、、実力と虚像の間で不思議な行動に走る人は絶えないような気がします。ジャズの世界だけじゃないんだけど。。だから、こうやって残っている人は、尊敬とかもしちゃう。 と、このジャケット、カラフルというより、「毒々しい感じ」で、赤は情熱と言うより、発○のイメージ。 喪服?とのアンバランスな感じもいわゆる男心をそそる、って、ものなんでしょう。 その男を誘う妖艶でなまめかしい感じと、中味のゴリゴリな力強さのギャップをねらったものでわるくはないと思うンですが。でも、その発想が、、なんとなく男性中心の世界から脱しきれない感じもあって、ちょっと考えちゃったです。 でも、、まぁ、でもヨーークヨクみれば、、誘うってヨり、、ガンを飛ばしている感じもある。(爆)さすがダ。 でも、はっきり言って、これだけの中味があれば、「スッピン、じゃけなし、ライナーなし」でもオッケイでっす。 大西順子ファイとぉ!ガンガン行ってくれ! 9/30日にオーチャドホールで一晩だけの発売記念コンサートするらしい。 いつもは、、だ~い嫌いなジェームスカーターにガン飛ばしにいきたいもんでーーす。。(爆) お盆のおやすみですね。 皆さま、、何をされてますか? お墓参りしましたか? わたしは風邪ひいちゃって、からだ中がいたくて、、 んじゃ、退散♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年08月18日 12時09分54秒
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