037459 ランダム
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静岡市の建築家 舞

静岡市の建築家 舞

IHクッキングヒーターの問題点

IHヒーターの特長
●「鍋を加熱」ではなく「鍋を発熱させるコンロ」、だから裸火はなく、排気ガスもでないから安全なクリーンなコンロ
●形がすっきりしていて、平らな天板で手入れが楽
●さまざまな安全装置がついている。鍋の過熱を防いだり、鍋をはずしたままにすると電気が切れたり。
●200ボルトの電源を使用。据付には電源工事と契約アンペアを増やす必要がある。
●鍋に使えない材質と形がある。底の丸いものはX、アルミ、銅、耐熱ガラスや土鍋はX、ステンレスは温度があがらなかったりとやっかいである。そこでメーカーは「IH推奨鍋」をだしている。

力くらべ
IHヒーター、ガスコンロ、電気ヒーターコンロで比較。IHヒーターの3kwと2kwに対して、ガスコンロは4.2kwのハイカロリーバーナー(チャオバーナー)と2.97kwの標準バーナーがあり、熱の無駄が少ないタイプ。電気ヒーターコンロはIHヒーターと同じく200ボルト電源を使い、2kwと1.5kwのヒーターがあるタイプを使用。
●コンロから出た熱が、どれだけの割合で鍋に伝わるかの熱効率では、IHは約82%、電気63%、ガス46%とIHヒーターの熱効率は抜群で、一番熱の無駄が少ない。
●火力を見るために、20度の水2リットルを「IH推奨鍋」で沸かして、沸騰するまでのそれぞれの時間と費用を調べてみた。
一番早く沸くのはIHの3kwで約4分半、ついでガスチャオバーナーの約6分半、IH2kwは約7分、電気ヒーター2kwの約9分半、1.5kwの12分半であった。IHヒーターはガスコンロより表示火力は弱いが熱効率がよい分、ガスコンロより火力は強い。
●ガスの方がやや安い。この時かかる費用を見ると、ガスコンロ4円弱、IHは約5.5円、電気ヒーターは7円。

今までにない加熱の仕方
●一定時間、26cmの推奨フライパンを熱した時の熱のまわり具合を見る。驚くのはIHヒーターの熱のまわり具合である。60秒ほどで、鍋の底が急速に高温に達し、フチとの温度差が激しい。底は400度を越えているがフチは100度以下の部分がある。鍋の底だけを強力に加熱している。
 ガスコンロでIHヒーターなみの高温になるのは90秒ほどかかるが温度ムラも比較的少なく、フライパン全体が熱くなっている。電気ヒーターコンロはIHに似ているが、温度は全体に低めである。
●熱気が上がらない。ガスコンロは鍋底から高温の炎や熱気が回り込み、鍋全体が熱く、取っ手もかなり熱くなっている。IHヒーターは、底から徐々に熱が伝わり、熱気のたち上がりはほとんどなく取っ手は熱くなっていない。

高い温度が出ない 炒め物やステーキがおいしくない
●IH推奨フライパンで野菜炒めやステーキをつくってみる。野菜、油、調味料がバラバラで水っぽくまずい。ステーキは焼き目をつけると肉に火が入り過ぎてパサついてしまう。IHヒーター2kwの場合、スイッチを入れて予熱(約1分)している時は2kwの火力を出しているが、野菜を炒め出すと1分もたたないうちに火力は急激に下がる。この低下は3kw側でもひんぱんに起きた。

フライパンの底がドーナッツ状に赤熱
●IH推奨フライパンを30秒ほど予熱したら底がドーナッツ状に赤熱した。(東芝の推奨フライパンは全く赤熱しなかった)この赤熱したフライパンに油を入れれば2~3秒で発火し、炎が立ち昇る。危険だ。
●フライパンが傷む
IHにかけたフライパンは傷みやすく、少しでも痛むと火力が設定どおりでなくなる。(底だけが高温になるため傷む)
●IHは鍋で煮たり、茹でるのは得意
鍋の側面が熱くならないからふきこぼれにくい。煮崩れもしない。カレーやミートソースなどとろみに油分のある料理はかなり弱火でかきまぜながら温めないと、突如、蒸気が鍋底から噴出し、鍋底が焦げ付く。
IHヒーター赤熱

暮らしの手帳2003年2月号より抜粋。
くわしくは「暮らしの手帳2003.2月」に、実験写真とともにわかりやすく出ています。


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