「海へ」/「まま子実の子河童ン家」
同時進行で2冊読了。「海へ」 南木佳士著心を病んだ山に住む医師が、旧友に誘われ海辺の街で過ごす5日間。南木佳士さんの本は読んでいると波や葉擦れの音が聞こえたり磯の香りがしてきたりする気がする。心の闇の描かれ方が細やかなんだけど、私小説なのかしら。文章も内容も相性がいいというか、続けて次の作品を読みたくなります。「まま子実の子河童ン家」 風間茂子著妹尾河童夫妻とまま子・実の子家族4人のお話。産みの親より育ての親を実感しました。亡くなった先妻の子供も実の子も大切に育てた河童夫人、茂子さんの記録。子供たちの事をとても深く考えているようなのだけど、きちんとしすぎて少し肩に力が入りすぎてたように感じました。後半にまま子と実の子からのエッセーも入っていてそちらからの話も楽しめました。