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Black Swan/メディア情報の歪みを正す

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Dec 13, 2011
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ソース:「三橋貴明ブログ」
URL:http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/page-2.html#main

「さらばユーロ」

 昨日まで、一日八十枚ペースで原稿を書き続け、何とか小学館の単行本を書き上げました。(精根尽き果てました・・・・) とはいえ、今回の本ばかりは「執筆完了⇒ゲラ⇒出版」といったいつものパターンでは出版されません。理由は・・・・、出版をお待ちください。(来年です)

 小学館のお仕事を終えたとはいえ、次は海竜社の「税金の本(仮)」を書かねばなりませんので、ゆっくりしてはいられないのですが。

 アメリカとイギリスが、事実上、ユーロに「決別」を伝えました。

『「もう米国民は関わらない」迷走欧州に米報道官 IMF資金供出も否定
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111210/amr11121021020005-n1.htm
 カーニー米大統領報道官は9日、欧州連合(EU)がまとめた危機対策は不十分との見方を示すとともに、国際通貨基金(IMF)への資金拠出にも応じないと明言した。
 EUが財政規律強化へ新協定を打ち出したことに、カーニー氏は「進展の兆しはある」としながらも「一層の取り組みが必要なのは明白だ」と強調。EU新基本条約制定やユーロ共同債で合意できなかったことに不満を隠さなかった。
 一方、米有力シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所のエコノミスト、デスモンド・ラックマン氏は「EUは欧州で広がる信用危機への処方箋を示せなかった」と分析。EUがIMFへ最大2千億ユーロの融資を決めたことにも、ブルッキングス研究所のダグラス・エリオット研究員は「市場を納得させるには不十分」とみる。カーニー氏も「米国の納税者がこれ以上関わる必要はない」として、米国はIMFに拠出しないと指摘。「欧州が解決すべき問題だ」と突き放した。(後略)』

『EU財政合意「幸運を祈る」、蚊帳の外の英首相-スウェーデン追随か
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-LVXI730D9L3501.html
 キャメロン英首相は、ユーロを救済するために主権を犠牲にすることを拒否し、財政規律を強化する欧州諸国の合意に参加しない道を選んだと語った。
 キャメロン首相は、欧州連合(EU)の合意に伴う規制から金融取引の中心であるシティー(ロンドンの金融街)を保護する手段を確保することができず、フランスのサルコジ大統領やドイツのメルケル首相と袂(たもと)を分かつ結果となった。英国のほか、場合によってはハンガリーとスウェーデン、チェコが新たな財政規律の枠組みの外にとどまる見通しだ。
 首相はブリュッセルでのEU首脳会議の夜を徹した協議の終了後、記者団に対し、「提案内容は英国にとって良いものではなかった。彼らだけでしたいようにやらせる方がよい。幸運を祈っている」と突き放した。 』

 結局のところ、ユーロの問題を解決するには、二つしか道がありません。

(1) ギリシャ、ポルトガルなど、「経常収支赤字」「対外純負債」が延々と続き、ユーロに加盟している限り財政危機を沈静化できない国々を切り離す。(ギリシャなどに独自通貨を導入してもらい、あるタイミング切り替えるしかないでしょう)

(2) ユーロ共同債を発行し、さらにECBが国債買取枠を増やし、「ユーロ全体で」危機を沈静化させる。すなわち、昨日もどなたかが仰っていましたが、
「ドイツが『地方交付金』のノリで、ギリシャなどの国に自らの税金を注ぎ込み、救済する」
 上に、ECBが「地方債」を買い取るノリでギリシャ債などを買い取り、長期金利を抑え込まなければなりません。ECBが各国の国債を買い取ると、各国のインフレ率が急騰する可能性があります。均衡財政至上主義のドイツや、ユーロという通貨を「愛する」ドイツ国民は、財政赤字が増え、ユーロの価値が下がっていくのを認めなければなりません。

 一応、現在のユーロ諸国は上記のうちの(2)の方を推進しようとはしています。

 ところが、今回のEU首脳会議で決められたのは、「財政規律強化」のみで、ユーロ共同債導入も、ECBの国債買取増大も決められませんでした。ブンデスバンクに至っては、バイトマン総裁が、
「税金を各国に再分配する任務は明らかに金融政策の中にはない。国家の債務が中銀を通じて資金手当てされることは引き続き条約で禁止されている」
 と、ECBの国債買取増大を明確に否定してしまいました。
 
 結果、まずはアメリカがユーロを見放し、IMFへの資金拠出を求められても応じないことを明言しました。結局のところ、IMFは「救済できるところ」しか救済しません。すなわち「助かるところしか助けない」のがIMFなのです。アイスランドの危機の際に、IMFがなかなか緊急支援に応じなかったのは、「助けられるかどうか不明」だったためです。

 今回のアメリカの決断は、
「ユーロは自らを救済することができない」
 と判断したに等しいわけです。

 さらに、イギリスのキャメロン首相は、EUの新基本条約に、
「(独仏が主導した)EU新基本条約締結は英国の国益には合致しない。不参加は厳しい決断だが、正しいものだ」
 と、事実上の拒否権を発動しました。

 理由は、新基本条約が含む「財政規律の違反国に対する自動的制裁発動」などが、英国の主権を侵害するものである(実際、そうだと思いますが)と判断したためです。

 何というか、結局のところユーロとは「各国の主権」の問題であることがよく分かります。各国が主権を侵害されても、得るメリットが多くなければ成立しえないのです。ところが、ユーロ圏の各加盟国の経済モデルや発展段階、国民所得はバラバラなので、メリットが一致することはまずありません。(ドイツ、フランス、ベネルクス三国くらいならば・・・)

 アメリカ(IMF)が「半分」見捨て、英国が「付き合っていられん」と距離を置き、各国が「主権」の一部を放棄することで成立していたユーロという社会実験は、いよいよ最終段階を迎えたように思えます。






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Last updated  Dec 13, 2011 04:10:57 PM
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