ひめの観劇日記

星組の新トップスター、紅ゆずるのお披露目公演。
　昨年東宝版の「スカーレット・ピンパーネル」を観てドハマリしたので、宝塚版も楽しみでした。
　両方観ると、宝塚版と東宝版の違いがわかるのですが、ストーリー運びとしては、宝塚版の方が馴染みやすいというか、自然に受け止められる気がしました。どのあたりが、というと、アルマンが公安委員会に捉えるられる件です。東宝版では、確か「アルマンが捕まった」という台詞だけで、捕まえられる場面はなかったと記憶しているのですが、宝塚版では捕まえられる場面が入っていて、わかりやすいなと思いました。アルマンとマルグリットの関係は東宝版の方が好みなので、宝塚版では、二人のデュエットがないのが少し気になったものの、アルマンとマリーが恋人同士なので、そういうふうになるのかなと思いました。

　紅ゆずるのパーシーは良く似合っていると思いました。隠れ蓑にしているオシャレと遊びに夢中で政治に興味のない貴族を、いい感じの抜け具合で好演。ピンパーネル団とのバランスもいいし、この作品は宝塚に向いているんでしょうね。紅さんが本当に楽しそうに演じているのがわかって、グラパンのシーンと、ショーブランをからかうシーンはノリノリでしたね。
　「ひとかけらの勇気」と「目の前の君」は、丁寧に歌っていてなかなかの出来。紅さんがこの作品を大事にしているのがよくわかりました。

　綺咲愛里のマルグリットは凛として素敵でした。コメディ・フランセーズで「ひとかけらの勇気」を歌うところなんかイイですよね。ミクロンのギロチンの前で、スカーレット・ピンパーネルの正体がパーシーだとわかった後の二人のほのぼのしたやりとりがなんとっも言えません。それにツッコむショーブランも面白い。

　一番いいと思ったのは、礼真琴のショーブランでした。紅さんの日替わりアドリブによく笑わず耐えているなと感心することしきりです。全部真面目に返して、それが笑いに繋がるというのは、星組で培われた関係があるからでしょうか。
　ショーブランは何より、まこっつぁんの歌唱力が素晴らしかったです。ますます上手になった気がするし、たくさん歌ってくれて、ファンとしては嬉しい限りです。「マダム・ギロチン」とか、「鷹のように」は雄々しく歌い上げ、「君はどこに」はしっとりと聴かせる。いいですね。「謎解きのゲーム」「栄光の日々」も力強くて、どれも素晴らしかったです。まこっつぁん、この役でまた一つ成長したと思います。先が楽しみすぎます。
　フィナーレで歌う「ひとかけらの勇気」も素敵ですよね。

　DVD出たら、買います。いや、ブルーレイか。