ひめの観劇日記

１２月２日マチネのキャスト
　レディ・ベス　　　　　平野　綾
　ロビン・ブレイク　　　加藤和樹
　メアリー・チューダー　吉沢梨絵
　フェリペ　　　　　　　古川雄大

１２月５日ソワレのキャスト
　レディ・ベス　　　　　平野　綾
　ロビン・ブレイク　　　加藤和樹
　メアリー・チューダー　未来優希
　フェリペ　　　　　　　古川雄大


　平野ベスは声が以前より出るようになった印象。瑞々しい中にも貫禄が出てきたように感じる。こうしてダブルキャストで観てみると違いがわかって面白い。お花ベスは理不尽な仕打ちにあってずっと嘆いているような印象だったけど、平野ベスは同じ理不尽な仕打ちを受けても、それを跳ね返そうとしている感じを受ける。

　吉沢メアリーは初演より印象が良い。年増女の悲哀がよく出てる。気のせいか歌唱力も上がったような気がする。初演の時は未来メアリーの迫力に心奪われたのですが、今回は吉沢メアリーもイイ。
　未来メアリーは今回も迫力満天で哀しい女王陛下。劇場内で「ベスのお姉さん怖い～」という声が聞こえたので、未来メアリーの迫力はしっかり伝わっているようです。

　ロビンたちもそれぞれ個性的でした。加藤ロビンはベスとの別れで泣いてるんだよね。あれ見るとつられて泣けてきちゃう。おそらくロビンもベスが自分についてくることはないとわかっていて、それでも一緒に行こうと言う。案の定ベスは女王の道を選ぶ。覚悟してはいたけどやはり別れは辛い。ベスとの別れで、恋人が女王になる瞬間を見届けて、彼女の覚悟を見届けて涙する。戴冠式での加藤ロビンの表情は角度的に見えなかったけど、きっと微笑んでいるのだろうと思う。平野ベスが切ない表情で頷いていた。
　育ロビンは泣いていなかったけど、切ない気持ちは伝わってきた。こっちの方が少しだけ大人なのかもしれない。

　この作品で一番のお気に入りはフェリペ殿下なのですが、平方フェリペとゆんフェリペの違いもまた楽し。多分ロビンより気合を入れて観ている（出番が少ないから）。
　最初の登場シーン、最後に「厭きた」という殿下の台詞があるのですが、そのニュアンスが二人で大きく違う。平方フェリペはおそらく自分の立場だとか、父の命令による結婚だとか、外したビリヤードなど全てにイライラして怒っているような口ぶり。対してゆんフェリペはその全てに諦めを感じている口ぶり。
　また、ゆんフェリペはクールビューティーであまり小芝居はしていない感じでしたが、平方フェリペはスキあらば入れてくるというか、いろいろ楽しんでいるようでした。