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カテゴリ:本
<あらすじ> 「壁の花」の3人までが幸せに結婚し、残るはデイジーだけ。花婿を見つけられずにいる末娘に業を煮やしたアメリカ人実業家の父は、2カ月以内に花婿が決まらなければ、父の決めた男性と結婚せよと、最後通牒をつきつけた。不本意な結婚は阻止できないものか。ウェストクリフ伯爵はハウスパーティーに花婿候補の紳士を招待してチャンスをつくってくれた。デイジーは思いをこめて「願いの泉」にピンを投げ入れる。すると背後に見知らぬ男性が。自分のことを知っているようだが、まったく覚えがない。でも、漂ってくる香りは、ボウマン社の石鹸の香り。まさか、彼が父の指名した男性、マシューなの!?しかし、マシューは「あなたとは結婚しない」と言い切る。彼には、なにか深く悲しみに満ちた秘密が…「壁の花」四部作、感動のフィナーレ。 ページをめくる手が止まりませんでした! 最高におもしろかったです。読んでいて退屈しないことはお約束できます。 私の読み込みが足りないのか、いままでの3作では正直4人組のなかでは一番印象が薄いというか、どういう性格なのかつかみにくいヒロインでしたが、主人公として内面などが語られると読書好きで空想好きでといったところがすごく感情移入しやすく、読みやすかったです。 2作目のひっこみじあんなエヴィーと悪魔的にハンサムなセバスチャンのかけおちからはじまるロマンス「空に舞う堕天使」と3作目の活発で個性の強いリリアンと誰もが従わざるを得ないような威厳のある伯爵マーカスの火花散る恋「恋の香りは秋風にのって」のドラマチックさに比べるとほんわりしているというか、ピュアな印象のロマンスでしたね。 4作それぞれが別の趣の恋愛になっていて、現実世界ならひとつとして同じ恋はないとはいっても、小説としてそれぞれ読み応えのある作品に仕上げるのは大変だったのではないかなぁと思いました。それにしても、脇役を含む登場人物たちの個性豊かなこと。そしてカップリングの絶妙さにもうならされます。今回4部作が終了して、この登場人物たちともう会えないのかと思うとなんか寂しいです。ロマンスも素敵でしたけど、壁の花たちの友情も読んでいて清々しかったです。 まだ4冊とも未読というかたには、ぜひ1作目のひそやかな初夏の夜に、から刊行順に読んでいただきたいです。(夏→秋→冬→春)それぞれおもしろいですが、 話の流れが続いていますので、順番に読んだほうがよりこの4部作を楽しめると思います。わたしももう一度、最初から読み返そうと思います。 クレイパスの次回作はどんな作品なのか、待ちきれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.26 00:04:50
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