「美女と野獣」
初日の予約開始と共に座席を押さえ、もの凄く期待して行ったが、アニメ版、コクトー版、レア・セドゥ版と観てても特に思い入れはないし、比較するほど覚えてない。 一見大胆なアレンジはなかったような気はするけど、こんな野獣なのに草食系の王子を皆でベルにたきつける話だったっけ…? 周りから擁護されている王子が、拒絶されるだけのシザーハンズやファントムとは決定的に違い、悲壮感に欠けて泣けなかった。むしろ変わり者扱いされるベルの方に同情したり。話題になったル・フウの設定が更に現代的解釈で最後は吹いたけども、彼ともう一人へのディズニーにしては画期的なメッセージがあり、白人と黒人のカップルが二組なのもその流れ。その反面、黄色いドレスとジョン・レジェンドの歌繋がりでララランド的女子向けスィーツ映画かと思いきや、案外パッセンジャー的男子向けストーカー映画なような気もする。ストックホルム症候群かと穿った見方をしてしまうが、もしベルが美女でなかったら、男女逆だったら…とか、そんなことばかり考えてしまったユアンのルミエールは、もっとコミックリリーフ的なキャラなのかと思ってたら、恋の指南をする色男なだけでなく、陽気でポジティブで男前の素敵な給仕長でしたマッケラン爺のコグスワースとのやり取りも良かったし、晩餐会の歌詞のキャバレーってところは一瞬フォッシースタイルを踊ってたり、やたらくくるくる回ってて、もしやモーションキャプチャなのかと思ってしまったあの曲はシカゴのコンドン監督らしい羽根扇も出て来て楽しかったなダン・スティーブンス氏は超絶ハンサムで、ミュージカルよりクラシックな歌い方するので何者と思ったら、ラストの歌はジョシュ・グローバンだったケンブリッジ卒らしいが、もしかしたらエディ・レッドメイン以上の逸材なのかも知れぬ。エマちゃんは初々しい歌い方がとっても可憐で、ちょっと強気なとこがハーマイオニーぽくも本人ぽくもあり、やはり現代的アゴが刺さりそうなほど細くて若干子供っぽい気もしたけど、もう27歳なんだね音楽、衣装、セット、キャストとどれも豪華絢爛なのに、中身はオーソドックスなディズニーアニメの世界観を忠実に実写化してるので、それが好きな人にはほんとにハマるんじゃないでしょうかweb拍手を送る