|
カテゴリ:松本洋子の類
日記がカテゴリ分けできるようになったというので、試しに新カテゴリを作ってみました。どんな感じなのでしょう?
と、いうことで、今日の日記のカテゴリは「松本洋子の類」。宮脇明子の『心霊写真』中の絵と、松本洋子の『見知らぬ街』中の絵が似ているという話が、以前某所にあったので見てみた物です。 初出は宮脇明子が先、松本洋子が後。松本洋子が『見知らぬ街』を雑誌に掲載した頃には、宮脇明子の『心霊写真』は既に単行本に収録されているようです。 『心霊写真』は、心霊写真をあつかったオムニバス。と、いっても、プロローグ「見えない手」ともう1話「遠くへ行きたい」だけですが。以前某所に書かれていたのは、女の子が車にはねられているカットという話でしたので、プロローグではなく「遠くへ行きたい」のほうです。2話とも短編で、あらすじを書くと全部書いてしまいそうですので、ストーリーは省略します。 『見知らぬ街』は、読み切りの短編。友人達5人で遊びに出かける途中で、交通事故にあってしまう。ふと気付くと、彼女らは人気も生活感もない奇妙な街にいた。この街は一体…? 車にはねとばされて宙を舞う女の子の体の曲がり具合、足の開き方、引きつった様な何かをかきむしるような曲がった指、飛んだ鞄と車の位置など、確かにとても良く似ています。この画像でははっきりとは解らないかも知れませんが、指の形も本当に良く似ています。 車にはねられるという同じシチュエーションでも、何のモデルもなしに無関係の二者がこれほどそっくりになることはまず無いでしょうねえ。 この絵は、本当に良く似ていると思うのですが、私の判断としては、座り込んでいる女の子の後ろ姿しか発見されていない藤田和子の『ライジング』と同様に、この絵一枚だけだとするならば保留です。松本洋子だからなあ、という先入観が自分の中にできあがってしまっているように思えますので余計に慎重に。やはり一コマだけだと資料集などの存在があるのではと気になります。 以下、22日に追記。 気になるので、一応、『心霊写真』と『見知らぬ街』をもう一度よく見比べてみました。似てる……かな?と思うコマが一応、いくつかはありました。 まずは、車にはねられる直前を描いたシーン1ページ。 画面向かって右上部に女の子が車に気付いた顔、車の前部とスピード感を表しているのか集中線、驚く(怯える?)女の子の顔が斜めのコマで入り、ブレーキをかけたらしき車輪一つ……と、流れが良く似ています。 細かく見ると顔の向きも違いますし、宮脇版は4コマから松本版は5コマから構成されていますし、全くそっくりではないのですが、集中線と車の前部を描いたコマで車の全面を描きつつ片側のライトや車輪が被ったコマによって画面から切れているあたりはやはり気になります。第一、車ではねられるシーンと関係のあるシーンですので……。 ですが、逆に何か共通のベースがあったかも知れない考えると、車が走ってくるシーンから既に同じ物をベースにしているだけという考え方も成り立ちますので、このページを加えても、まだ断定するには弱いかと思います。 あとは、やや似てるけど偶然と考えるのが当然かもしれないという程度の物。 判断の難しい横顔アップです。 主人公の女の子が口元に手を当てている横顔の絵。左上から右下にやや斜めに切れたコマに女の子の横顔と片手の手首までが入っている絵で、女の子の顔の一部(耳の方)や手の一部(掌底から手首にかけて)は画面から外れてしまっています。手の薬指と小指の開き方がやや似ているように感じた絵なのですが。 一目でわかるように、口の開き方も、鼻の高さも、指の長さも、中指の位置も違います。横顔に限らず顔のアップなんて似たり寄ったりに見えるもの、こちらも根拠とするにはどうにも弱い。 さいごに「遠くへ行きたい」ではなくプロローグの「見えない手」から小さな1コマ。 片方の肩が下がり、片方の肩はあがっている。あがっている方の腕は握られ肘を曲げていて、下がっている方の腕はそのままほぼ重力に随った方向に下がっている。顔は、あがった肩の方を振り返るように見ている……。 という点で似てはいますが、小さなコマですし、このコマに関しても、これを根拠に云々するのは難しそうに思います。 以上のように、いくつか似ているところを探し出してきてはみたものの、どれもどちらかに天秤を傾けるほどの力は持っていないものばかり。この件に関しては、新たな発見等ない限りは私の意見は保留とさせていただきます。 宮脇明子『バースディプレゼント』集英社文庫 2002年2月20日第一刷発行 松本洋子『見知らぬ街』講談社コミックスなかよし 1990年2月10日第一刷発行 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2004年08月23日 00時40分53秒
コメント(0) | コメントを書く
[松本洋子の類] カテゴリの最新記事
|