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テーマ:最近観た映画。(40134)
カテゴリ:映画
先週、近くのホームセンターでDVDが税込み470円で売っていました。DVDが、その値段? びっくりして近寄ってみると、世界名作映画DVD50タイトルセットの一枚だった。この値段なら、と思って何かないか、探してみると、「武器よさらば」とか第三の男」など有名な映画がごそっと並んでいました。噂だけ聞いて見ていないものほとんどでしたが、スタインベック原作の「怒りの葡萄」(ジョン・フォード監督、ヘンリー・フォンダ主演)があったので購入して、見ました。 かつて、原作を読んでみよう、と思って文庫を書店でとってみたこともありましたが、原作も結局は読んでいません。 アメリカの古き時代における移住民の物語ですが、過酷な暮らしをする農民たちの話です。中西部から土地を奪われ、カルフォニアまで仕事を探しに行く農民の家族たち。ボロボロのトラックを運転する旅の途中で、年取った家族を失い、たどり着いた町の外でのキャンプにも火をつけられたり、労働運動がつぶされたり、資本家や町の人々によって人間以下に扱われていきます。主人公に、熱く労働者の権利を話すのは、かつてPreacherだったケイシーという男でした。ケイシーは結局殺されてしまい、主人公は、ケイシーを殺した一団の一人を殴り殺してしまいますが、彼はケイシーの意思を嗣ぐ、という形で、逃亡しつつ、働く農民の闘争に身を投じていきます。 主人公と母親との別れの場面も、とても印象的でした。 アメリカにおける差別や貧しさを克服しようとする闘いとして見ることができますが、このような闘争は今もなお続いています。貧しい国から豊かな国に移動する人々は絶えませんし、人間の歴史が繰り返していることを見たような気がします。 ケイシーが、主人公に闘いへの誘いをする場面は、あまりにも短かったのですが、それが主人公の心に火をともしていきます。解説によると、ケイシーは、キリストを象徴しているとのことですが、キリストの生涯も、とても短いながら、弟子たちの心に、そして私自身心に灯火をともしてきたのだと、感慨深く見ました。 さて、この「怒りの葡萄」をコンセプトに、作られた音楽が、Camelの「Dust and Dreams」です。それもあって、映画を見たくなったんですけどね。 映画を見終わった後に、"♪Go West, Go West♪"というボーカルが聞こえてくるようでした。改めて、キャメルのダスト・アンド・ドリームスの解説を見ると、このアルバムでは、原作にはない生まれた子どもがなくなる、という場面も付け加えていたようです。音楽に触発され、映画を見る、映画に触発されて、また音楽に戻る、そんな日々でした。これに触発され、次は原作を読んでみるつもりです。ケイシーがどのように描かれているか、確かめてみたいのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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