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(口語体文章を書く難しさについて)
私は江戸っ子ではありません。(熊本生まれの横浜育ちです) でも、七を“ひち”と発音しているようです。(最近指摘されました) 江戸っ子は“ひ”と“し”が逆転すると良くいいます。 そんな極端な奴いねーよと思っていましたが、東急東横線に『日吉駅』を「次はしおひ、しおひ」と思いっきりアナウンスする車掌が居ました。 いままで、日吉を「しおし」といっている人は知っていたけど、「しおひ」と発音したのは知る限りその車掌だけです。(しかも、プロの車掌です) 私が数を数えると「ごー、ろく、ひち、はち」と聞こえるらしい。 本人は“し”と“ひ”の中間くらいの気持で、何も考えないで発音していました。 いざ人から指摘されると、いきなり直そうとしても、意識しすぎて、“しっ”“しっ”て犬を追い払うみたいになったり、つばが飛びそうになったりと、とても言いにくい。 国語辞書で調べて、“しち”であることが動かしがた事実だとわかっても、悔しいから、「“しち”じゃ質屋の“しち”みたいでしまらねぇから、どっちでもいいじゃん。」などと勝ち目の無い言い訳をしたのを覚えています。 コラムなどでくだけた文章を書く機会が増えて、この“し”と“ひ”のようにいいかげんに使っている言葉が、結構多いことに気づきました。 報告書のように硬い言葉で文章を書いていても、特に不自由は無かったのですが、(この不自由だって、発音するときは“ふじゅう”と言っています)そのような言葉にぶつかると、正確にはどれが正しいのか悩むものも少なくありません。 例えば、“いう”と“ゆう”、“そういう”と“そうゆう”などです。 会話の中では『そうゆうことゆうの?』と女の子が彼氏を非難するような口調で発音しますが、読みにくいので漢字に直そうとすると、『そう言うこと言うの?』と、とたんに昔テレビでやっていた『カリキュラマシーン』(知らないかな?)のロボットくんの発音のように角張った印象になってしまって、どうもニュアンスが違ってきます。 “いう”と“ゆう”はどちらでも良いと前にどこかで聞いたように思いますが“そういう”と“そうゆう”はどうなのか分りません。 考えるのが面倒臭くなると、“そうゆう”と書きたくても“そのような”と書き換えてしまったりしますが、さらにニュアンスが変わってしまいます。(“面倒臭く”も、話すときは“めんどくさく”です) ここまで書いて心配になったので、『岩波国語辞典』と『広辞苑』と『類語大辞典』で調べてみたら、広辞苑にだけ『いう→言う、云う、謂う 』『ゆう→言う、云う、謂う 』と書いてありました。 さすがは広辞苑!(ブックオフで新品100円だった掘出物です) ついでに言うと、“はかる”のように、どの漢字を使ったらよいのか迷うものもあります。『計る、図る、測る、量る、諮る、謀る』と有りますが、使い方が分かり易いものは良いのですが、微妙にどちらでも良さそうな場合など悩みます。 まあ、どんどん文章を書いて、分らないものは辞書で調べていくと、じょじょに“そのような”言葉も減ってくるのでしょう。 ただ、自分の気分を正直に表現したければ、間違いを恐れずに口をつく言葉を文字にすべきでしょうか? でも、そのせいで人が読んで、理解できない文章になってしまっては元も子もないですね。 文章を書くのは難しいですね。 『和める』ような文章が書きたいと思って、コラムを始めてみましたが、何かを表現する以前に、こんな基本的な日本語の使い方で悩むことになろうとは。(とほほ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004/07/01 09:09:16 AM
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