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 頼久は戸惑いを振り払った。
(藤姫様のご命令だ。今宵一夜、友雅殿の相手をしなければ。)
 頼久はごくりと唾を飲み込んだ。
 友雅の衣に手をかけ、すべてを取り払う。
 そっと唇を近づけ、友雅の薄い唇に、まぶたに、首筋に、自分の刻印を押す。
 自らも夜着を脱ぎ捨て、寄り添って臥した。
 胸の丸い印に唇を触れ、舌先で小さな飾りを転がしながら、脚の間に高ぶるはずのものを探る。手を触れ、そっと握ってしごくと、それはみるみる固くふくらんでいく。
「なかなか……うまいじゃないか……頼久……」
 友雅の息があえいでいる。
 先端に唇を寄せ、先走った雫を吸い取った。
 友雅が「うっ……」とうめき声を上げる。
 先端を舌で転がすようになめながら、握った手を素早く上下に動かすと、友雅はたまらないと言う風に腰を上下させた。
「あ……」
 うめき声があえぎ声に変わった。
 切なそうに眉を寄せ、頼久のものを求めて手をさまよわせている。
 頼久は体の向きを変え、友雅の口元にそれを差し出した。
 友雅はそれを口に含んだ。舌で締め付け、のどの奥で先端を刺激する。
 固くはじけそうになったそれは、もっと締め付けるものを求めた。
 頼久は友雅の後ろに回った。
 菊花に舌をはわせ、潤わせる。
 そして。
 頼久は一気に友雅の中に押し入った。
「あぁ…う……」
 引き裂かれるような痛みは、すぐに快感に変わる。
(藤姫も、昨夜こんな思いをしたのだ。これで、許してもらえるだろうか。)
 あえぎながら、友雅は藤姫の許しを求めていた。
 頼久が腰を強く打ち付ける。友雅の内奥もそれに応えて震えるように蠕動する。
 頼久の手が友雅の固いものを更に刺激する。
 淫らな快感に体が浮き上がるように感じる。寄せて返す意識の波。自らのあげる高ぶった声が遠くから聞こえる。あれは、本当に自分の声なのだろうか? 求めるような、あらがうような、甘いうめき声。
「もう、だめだ、頼久、私は……」
「私も、よろしいでしょうか……」
 二人同時に高みに駆け上った。めくるめく快感の中で、二人は朦朧と抱き合っていた


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