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2025.12.14
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カテゴリ:神社仏閣・御朱印
山口県防府市大崎に鎮座する周防國一宮 玉祖(たまのおや)神社。
現地に着いた頃には、既に夕陽で赤く染まろうとしていました。

鎮座地は八籠山の南麗の佐波川右岸に位置する扇状地で、一面田畑が広がり、住居がポツン〃と点在する解放感溢れる地域です。

駐車場に車を停め左を眺めるとすぐそこに玉祖神社の社頭が見えている。 

右を見れば、遥か先に一ノ鳥居がある、行くべきか?神社に向かうべきか?
今日の予定が押しており、かみさんは御朱印を頂きに足早に神社に向かいました。
遅れの要因を作っているのが自分だけに、ここは左に進み、後を追うのが賢明だろう。

ニノ鳥居に続く参道左の常夜灯、竿には玉祖宮と刻まれています。

その右側に猿田彦大神。

玉祖神社参道から見たニノ鳥居。

鳥居前の狛犬は文化9年(1812)に寄進されたもので、素朴なフォルムで吽形は角を持っているようです。

上、自然記念物玉祖神社樹林。
社殿北側の社叢が樹々の密度も高く、希少な植物が見られるとのことで市指定自然記念物となっています。
下、国指定天然記念物「黒柏鶏」
山口県文化財では以下のように解説されています。
「島根県と山口県でかなり古くから飼育されてきた中型の鶏である。
現在県内では、山口・防府・徳山の三市及びその付近の町村だけで飼育され、標準体重は成鶏の雄で3.3kg、雌で2.3kg。羽色は全身金属光沢をもつ緑紫黒色、純粋種は目、足、爪、もすべて黒色である。
とさか及び耳たぶは赤色、足は暗い鉛色で、鳴き声は普通7~8秒続き、中には10秒に達するものもある。
長鳴性のあることや尾羽が長く伸びる形質をもっていることから、小国鶏(京都府・三重県・滋賀県を生息地とする国指定天然記念物)の系統であるとされるが、その成立過程はよくわかっていない。
白柏、赤柏と呼ばれる近縁の鶏も飼育されたが、ほとんど姿を消したらしい。」
現在、黒柏鶏は防府市内の一部と玉祖神社境内で飼育されており、社頭右に黒柏発祥地の顕彰碑がある。黒柏鶏は境内で飼育、放鳥されているため、ペット同伴で境内に入ることは出来ません。
当日は夕暮れも近づき鶏舎に戻ったのか、境内に姿はなかった。
後方の建物は玉祖神社 齋館。
神門左の手水舎。龍がいい仕事していました。

以下は山口県神社庁による解説を玉祖神社概要と沿革年表に整理したもの。
概要
主祭神 玉祖命 外一座不詳。
玉祖神社は、天照大神の天岩戸隠の神事で八坂瓊曲玉を造った玉祖命を祖神とし、天孫降臨に際して国土統治を補佐したことに始まると伝えられる。
玉祖命は中国地方を平定後この地で神去り、御祖の地に葬られたことが社の起源とされる。
奈良時代には朝廷から租税免除や神税奉納があり、平安期には社格が従三位から従一位へと昇格した。
鎌倉時代には俊乗坊重源が造替を行い、室町期には大内氏による社領拡大や造営が続いた。
安土桃山期には毛利輝元が社領を寄進し、江戸初期には火災で社殿や社坊が焼失するも再建された。
18世紀以降も毛利氏や藩主による造替・修繕が行われ、明治には国幣小社に列し、大正期に国幣中社へ昇格。
昭和期には斎館新築や社務所改築が行われ、長きにわたり社格と祭祀を保ち続けてきた。

沿革年表
・奈良時代  天平八年(736)~十年(738):社領の田租穀が奉免。翌年、周防国正税から神税奉納。
・平安時代  大同元年(806):封戸10戸に加え5戸を賜る。
                 貞観九年(867):社格が従三位に昇格。
                 康保元年(964):正二位から従一位に昇格。
                 長徳四年(998):『今昔物語』巻十七に玉祖惟高の名が見える
       永万元年(1165):神祗官から名神諸社に進物、大榑300寸を給される。
・鎌倉時代  建久六年(1195):俊乗坊重源が造替を行い、神宝を調進。料田10町歩が奉免。
・南北朝時代 建武二年(1335):大内弘幸が社殿造営と神宝調進。
・室町時代 文明十一年(1479):社領が佐波郡から吉敷郡に及ぶ記録。
                明応六年(1497):大内義興が参詣し神馬を寄進。
・安土桃山時代 天正十七年(1589):毛利輝元が社領200石を寄進。
                文禄五年(1596):「打渡坪付帳」に九社坊の名が見える。
・江戸時代  慶長三年(1598):社殿・社人屋敷・九社坊が焼亡。
                 慶長十四年(1609):毛利秀就が社殿を再興。
                 寛延三年(1750):毛利宗広が本格的造替工事。
                 安政元年(1854):藩主による大修繕。
・明治時代  明治四年(1871):国幣小社に列格。
                 明治六年(1873):佐野若宮社を摂社とする。
                 明治十年(1877):浜宮御祖神社を摂社とする。
                 明治十一年(1878):官費で社殿改修。
・大正時代  大正四年(1915):国幣中社に昇格。
・昭和時代  昭和十一年(1936):斎館新築、社務所改築。

玉祖神社は『延喜式神名帳』に「玉祖神社二座」と記され、祭神は2柱を祭祀しますが、玉祖命の他の一柱は諸説あるようですが定かではなく、創建時期も神代の時代に遡ります。
また、本殿左の北参道口から約750mの大崎地内の田んぼの中に、玉乃岩屋と刻まれた石碑が建てられ、ここが玉祖命の墓所とされます、当日は次の目的地もあり自然記念物の社叢北側から眺めるだけに留めました。
悠久の歴史を持つ玉祖神社、当社寺宝に重要文化財の「周防国一宮造替神殿宝物等目録」建久六年(1195)が残ります。
文治二年(1186)に周防国は東大寺再建のための東大寺造営料所にあてられ、建久六年(1195)東大寺再建の後、その礼として、再建の中心人物だった僧侶 重源が、周防国一宮である玉祖大明神(玉祖神社)の社殿を新しく造り直しました。
この文書はその際に贈られた目録で、文書の裏には重源本人の直筆で「日別供料として田んぼ10町を免除する」と記され、署名や花押が押されているという。
その他にも大内弘幸重建目録、毛利輝元宗広再建目録や重要美術品として銅製巴文双雀鏡、源義経奉納吉包の太刀など多くの有力者から崇敬されてきました。

玉祖神社神門の眺め。
中央の親柱の前後に其々2本の控え柱を持つ四脚門で袖塀が付く。

神門の前の狛犬は文久3年(1863)に寄進されたもの。

神門から拝殿の眺め。

玉祖命は、勾玉や管玉をつくる玉造部の祖先神とされ、三種の神器のひとつ、八坂瓊曲玉をつくった神と言われ、神紋も亀甲紋様の周りに曲玉が3つ配されたもの。

拝殿全景。

入母屋銅葺屋根に千鳥破風と唐破風向拝が付く平入拝殿。

唐破風向拝の懸魚と蟇股。

拝殿から幣殿の眺め、鏡の両脇に一対の狛犬の姿がある。

社殿全景。
社殿は拝殿と幣殿、流造の本殿が主なもので、一宮らしい威厳を感じさせる堂々としたもので、市内に鎮座する同名の玉祖神社は全てこちらから勧請されたもの。

透塀沿いに社殿を一周でき、拝殿の左から杜を抜ける北参道があり、参道口を右手に進めば玉乃岩屋に至ります。
拝殿内部。
大きな屋根を隅柱と側柱が支えており、中柱のない開放感のある内部です。

北参道から眺める本殿。
白さが際立つ漆喰仕上げの基礎の上に、大きな流造の本殿が聳え立っており、大棟には三つの外削ぎの置千木と鰹木が施されています。

北参道を抜けた先の参道口、鬱蒼としたこの杜全体が自然記念物です。

社務所。
平日の夕方ともなると、御朱印は頂きにくいかもしれない。
神門左の反り橋と方生池。
放すべきものがあっても、池に水はない。

神門からニノ鳥居と遥か先の一ノ鳥居の眺め、随分と待たせてしまったようだ。
このうえ一ノ鳥居まで行ってもいい?とはとても言えない、夕陽に染まりはじめた玉祖神社を後にしよう。

周防國一宮 玉祖神社
創建 / 神代
祭神 / 玉祖命、外一座不詳
神事 / 占手神事(山口県無形文化財)
例祭 / 9月25日
境外社 / 御祖神社、若宮社
参拝日 / 2025/11/05





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Last updated  2025.12.16 15:51:37
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