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2026.01.16
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カテゴリ:神社仏閣・御朱印
夜都岐(やとぎ)神社。
関の地蔵から1.5kmほど北上した、天理市乙木町の県道51号線交差点に社頭を構えています。

朱の明神鳥居を構えた社頭から東の眺め。
赤い鳥居の先のこんもりした森が次の経由地夜都岐神社の社叢になります。

この一ノ鳥居は嘉永元年(1848)に春日若宮神社から移されたもので、右手の「式内 夜都岐神社」の社号標は大正三年建之のもの。
 社殿はここから東に約300m先の宮山(たいこ山)の杜に鎮座します。

鳥居の先は宮山の手前に道標が立てられており、ここから山の辺の道となり、左に進めば石神神宮、直進し夜都岐神社ニノ鳥居から右に進めば竹之内環濠集落へと続いています。

夜都岐神社社叢全景。
 こうしたこんもりとした小山、奈良にくるとなんでも古墳のように見えてしまう。
神社の由緒を調べていた際、社地のある宮山(たいこ山)は、古墳を整地して築いたもののようです。
 しかし、現地には古墳について言及する案内板は見当たらなかった。

ニノ鳥居付近の光景。
 当社は延喜式神名帳に山辺郡 十三座【大七座 小六座】の式内社「夜都岐神社」の論社とされます。

鳥居前の夜都岐(やとぎ)神社解説と歌碑。
 解説は以下内容。
『天理市乙木町の北方、集落からやや離れた宮山(たいこ山ともいう)に鎮座し、俗に春日神社といい春日四神を祀る。
 乙木には、もと夜都岐神社と春日神社の二社があったが、夜都岐神社の社地を隣町の竹之内の三間塚池と交換して春日神社一社とし、社名のみを変えたのが現在の夜都岐神社である。
当社は、昔から奈良の春日大社と縁故が深く、明治維新までは、当社から「蓮の御供」と称する神饌を献じ、60年毎に春日から若宮社殿と鳥居を下げられるのが例となっていたと伝える。
 社殿は、春日造檜皮葺、高欄、浜床、向拝付で明治39年(1906年)に改築、令和4年(2022)には本殿屋根が葺替えられ、春日四神の四社殿を本殿一社に合祀し、末社三社とあわせ現在の佇まいとなる。
拝殿は、この地方では珍しい藁葺の神社建築で、西方の朱の鳥居は、嘉永元年(1848)4月、奈良の春日若宮から下げられたものという。
 山の辺の道美化促進協議会』とある。
どうやら、水利の乏しい当地にあって、水源と引き換えに神社を交換したようだ。
 右手の歌碑は廣瀬東畝が詠んだ「山の辺の道は  はるけく 野路の上に  乙木の鳥居  朱に立つ見ゆ 」と刻まれています。 

上の写真の赤線は現在の乙木町となります。
 交換して得た三間塚池は右下にあり、竹之内町に入り込んでおり、交換された夜都岐神社は、現在十二神社として南東1kmほどの竹之内町に属しているのが良く分かります。
 解説やその他の資料を見る限り、かつての夜都岐神社は十二神社となる。
今思えば、昼ご飯を遅らせて十二神社に訪れるべきだったかもしれない。

鳥居脇の解説。
 『式内夜都岐神社
祭神 武甕槌命・経津主命・天児屋根命・日賣大御神
 例祭 十月十三日
境内社 琴平神社(大物主命)、八坂神社(素盞嗚命)、鬼子母神社(鬼子母神)
 神社東方山地に伝説の「春日明神鹿足石」がある。
鹿島より武甕槌命 奈良に遷り給ひし時、神鹿が休みし跡』

鳥居前から社殿に続く参道の眺め。

参道はすぐ先に石段があり、小山の上に藁葺屋根が見えています。 

境内全景。
 右の藁葺屋根の建物が拝殿で、後方に玉垣で囲われた本殿域があり、朱塗りの本殿が見えています。
正面が社務所になります。

藁葺屋根の拝殿はあまりお目に掛かれないもので、個人的にパッと思い浮かぶのは岐阜県荘川村に鎮座する一色白山神社の拝殿や白川村くらいか。
 自然が身近にある土地で見かける藁葺屋根の神社は、周囲の景観に溶け込み、日本の原風景と云える風情があっていいものです。
拝殿前には一対の常夜灯と狛犬が安置されています。

拝殿前の常夜灯の竿には春日社と刻まれていました。
 記録にあるように、夜都岐神社がかつての春日社であったことを物語っています。

拝殿前の狛犬は柔らかい砂岩から削り出されたもの。


拝殿額は「夜登岐神社」とある。
 天理市史(1958)は夜都岐神社について以下のように纏めていました。
『夜都岐神社 乙木 宮山
 祭神 武甕槌命、姫大神、経津主命、天児屋根命
大字の北方集落からやや離れた宮山(たいこ山ともいう)に鎮座し、俗に春日神社といつて春日の四神を祀り、もと指定村社である。
 延喜式に「夜都岐神社」、大和名所旧跡案内に「村社夜都岐神社 祭神 健伊賀津知命乙木」、大和名所図会に「夜都岐神社乙木村にあり 今 乙木明神と称す神名帳出」、大和志に「今在ニ乙木村 一宮社称ニ乙木明神一」、神社覈録に「夜都岐ハ仮字也 祭神詳ナラズ 乙木村ニ在ス 今 乙木明神ト称ス」、神名帳考証に「大和国山辺郡夜都岐神社屋就神命箭就宿禰」とある。
社名についての混乱は社地と池との交換から生じたらしく、乙木にはもと夜都岐神社と春日神社との二社あったが、夜都岐神社の社地を竹之内の三間塚池と交換して春日神社一社にし、社名のみを変えたのが現在の夜都岐神社である。
 燈籠にも「奉造立乙木社 万治二年十一月吉日」「奉造立乙木社寛永六年六月□日」手水鉢に「春日社」とあるが夜都岐神社の名はない。
当社は昔から奈良春日神社に縁故が深く、明治維新までは当社から蓮の御供と称する神饌を献供し春日から若宮社殿と鳥居を下げられるのが例となっていたと伝える。
 現在の本殿は明治三十九年改築したもので、春日造檜皮葺、高欄、浜床、向拝付、彩色七種の華麗な同形の四社殿が末社の琴平神社と並列して美観を呈する。
拝殿は藁葺でこの地方では珍しい神社建築である。
 もとは神宮寺で十来子(十羅刹)をまつっていた。
鳥居は嘉永元年四月、奈良の春日若宮から下げられたものという。
 鳥居が村の方位からはずれて、神社から実に美しい。
春日荘園図によると遠ざかっているのは、山辺の道に面して建てられたからであろう。
 大和平野を見はらす朱塗島木形の鳥居は二基あつて、現在のは二の鳥居で一の鳥居はこれより西方、三昧田との領界にあつた。
境内の琴平神社・八坂神社の二社はもと薬師堂の境内にあったのを明治八年ここに遷したのである。
 八坂神社の燈籠に「牛頭天皇 文化弐丑十二月吉日 毎月朔日七日 十四日 十五日 廿八日」とある。
他に鬼子母神社がある。
 例祭は十月十二日である。
なお神社の東方山地に伝説の春日明神鹿足石がある。』
 これによれば、県道脇のあの一ノ鳥居は実はニノ鳥居で、かつての一ノ鳥居は更に300mほど西に建っていたという、実に長い参道を持っていたことになります。

拝殿右から本殿域の眺め。
 朱の鳥居の左にある燈籠、竿には牛頭天王と彫られており、八坂神社と思われます。

鳥居の先の本殿に社名札はなく、燈籠から八坂神社と書いてみたものの自信はない。

玉垣の先の本殿域は全体が見通せないが、20年毎の春日大社遷宮時に古い社殿を下賜する、春日移しによりもたらされたもの。
 社名は夜都岐神社ではあるが、祭神は春日四神で、夜都岐神社の祭神は・・・
神社の創建時期を記したものに出会うことはなく、分からないが、平安時代の延喜式に記された古社であることは間違いない。

奈良盆地に広がる田園風景と、山々を背に佇む鎮守の杜の光景は、普段目にするビルや民家に囲われた神社の光景とは違って、どことなく故郷に戻って来たそんな感じに浸ることができる。
 インバウンドで賑わう京都では味わえないものが奈良にはある。

夜都岐神社
 創建 / 不明
祭神 / 武甕槌命、姫大神、経津主命、天児屋根命
 境内社 / 琴平神社、八坂神社、鬼子母神社
例祭 / 1月1日 歳旦祭・2月 祈年祭・9月1日 風鎮祭・10月1日 一日座・10月12日 宵宮祭・10月13日 例祭
 所在地 / 奈良県天理市乙木町765​
​参拝日 / 2025/12/2
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Last updated  2026.01.19 18:11:44
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