ちくわの穴には前後がある ---人間と昆虫の祖先(その4)---
『カミキリ虫とカブト虫の幼虫が似てるのは何故か』というコメントをsnowrun29さんから頂きました。今回はその話をいたします。----------動物が発生するときは、爬虫類、両生類、鳥類や人間、はては昆虫までも発生初期の段階においては同じ構造をしています。受精卵が細胞分裂を繰り返し細胞の団子になった時、表面に陥没が生じます。その陥没はやがて反対側の表面をつらぬき、細胞の団子はちくわ状になります。この間の内側は消化管になり、最初に陥没した側が口になるのを旧口動物、突き抜けた側が口になるのを新口動物と言います。シリーズの(その2)で出てきた図は、ここから区別されているのです。再掲図1 : ちくわによる区別ちくわ状の表面はやがて皮膚や神経系になり、脊椎動物においては骨格などもこれに沿って形成されるのですが、長くなるので詳しく説明はしません。つまり、ちくわにそって身体が作られるため、ちくわには体節という繰り返し構造が生じます。この体節は身体の基本形なので、どの生物も似ています。ここから発生がすすみ、それぞれの生物ごとの特殊化が始まるのです。例えば、お好み焼やタコ焼き、ホットケーキ、もんじゃ焼きなどは完成品だけを見れば区別できますが、下ごしらえの段階では見た目が似ているのと同じことです。図1 : 体節の変化(イメージ図)図1は下に行くにつれて進化しています。一番下は昆虫で、頭部は6つの体節からなっています。最初の体節の肢は途中でなくなり、代わりに複眼を持ちました。二つ目の体節の肢は触角になり、三つ目の体節は退化し、あとの3つの体節は順番に、大あご、小あご、下唇という昆虫に見られる口器になりました。再掲図1と図1を見比べてみてください。図1の一番上はミミズに見えると思います。図1の真ん中あたりは、ダンゴムシに見えないでしょうか。昆虫のバラエティに富んだ変化は、この肢が変化し、翅(はね)や触角になったり感覚器になったりした結果、生まれたものなのです。幼虫というまだ成長が未熟な状態は、いわば進化の途中なのでカミキリ虫とカブト虫の幼虫は似ているのです。【人間と昆虫の祖先 シリーズ】 おしまい----------