2009/05/01(金)22:41
はてさて、なんだろう ---その12(解答)--- 青汁の話
はたして、葉緑体は動くのでしょうか。
図1(再掲): ニラの細胞
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日光が十分に当たる条件では葉緑体は分裂を繰り返し、その細胞は緑色に染まります。
逆に日光をあてないと、葉緑体はやがて死滅します。
(葉緑体は独自のDNAを持っており、分裂することが可能)
日光が十分でない条件では、効率よく光が当たるように細胞内で葉緑体が並びます。
日光に対して、横一列に整列するようなものです。
しかし、強い光を当てると葉緑体は光を避けるように移動することがあります。
光の照射方向に対して、平行に並ぶのです。
先頭の葉緑体は強烈な光で悶絶しますが、その後ろの葉緑体は光の直撃をまぬがれます。
光合成に必要な量をこえた光は、葉緑体を損傷するのです。
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葉緑体は卵を押しつぶしたような円盤形をしています。
見た目は、緑色のマーブルチョコです。
その表面はたんぱく質で二重に包まれており、アメーバのように変形は出来ません。
繊毛も付いておらず、自力では移動できません。
では、強烈な日光からどのようにして逃れるのでしょうか。
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植物細胞は細胞壁で囲まれた箱のような構造になっており、内部は液状です。
細胞核を除いたその液状のことを原形質(げんけいしつ)と呼びます。
細胞は自らの意思で、その原形質を動かすことが出来ます。
細胞内にある細胞小器官を動かすことが可能であり、その流れを原形質流動と呼びます。
つまり植物細胞は味噌汁と同じ構造です。
表面はお椀という硬い細胞壁で囲われており、内部にネギや豆腐といった細胞小器官が、
だし汁である原形質の中で漂っています。
だし汁をかき回すと、細胞小器官が移動します。
細胞は原形質を動かすことによって、葉緑体を移動させます。
ネギ嫌いの人が箸を使って味噌汁の流動を引き起こし、
その流れを利用してネギを移動させるのと同じ仕組みです。
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よって正解は、
『 B : 葉緑体の意思に関係なく、細胞によって移動させられる。 』
でした。
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図2 : ニラの細胞
図2は、ニラの細胞を単離したものです。
日光が良く当たると、ここまで葉緑体が増殖し、内部は青汁状態です。
黄色い紅葉は、秋になり葉緑体が減るため引き起こされる現象です。
緑色の色素があると、黄色の色素は目立たないようです。
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解答を寄せてくださった方々、ありがとうございました。