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なかちゃん@那覇の日々のくすりばこ

記憶に残るバレー選手

   胸に光る、背番号「1」
元来、スポーツのと~っても苦手だった僕が、唯一見るのもやるのもハマったスポーツ、それが「バレーボール」でした。まぁ、日本が強かったというのもあるのですが…。その中でも特に、プレースタイルや選手個人の姿勢に惹かれたプレーヤーを特に6人取り上げて、うんちくをたれてみようと思います。僕個人の相当な思い入れが入っていますが、まあ、それはあまり気にせずに、読んでみてください。

1.史上最強のちびっこプレーヤー、張潤喜(チャン・ユンヒ、韓国)
 彼女が韓国の看板選手になってからというもの、日本は韓国に全く勝てなくなってしまった。韓国女子バレー史上、最高のプレーヤーであることには、恐らく誰も異論を唱えないはずである。そして、ちびっこ(といっても、170cmはあるが…)プレーヤーというくくりをすれば、キューバの大エース、ミレーヤ・ルイスと並び、最強プレーヤーと称しても異論はないだろう。二人に共通なのは、なんといってもそのキャプテンシーが示すように、強烈なカリスマ性を持っていることである。プレースタイルは全く違うものの、根っこに流れるものは全く同じだと思う。張潤喜の最大の魅力は前衛で見せる憎らしいほどのうまさ(特にコースの硬軟自在の打ち分けは、歴代でも世界一)と、後衛で見せる抜群のレシーブ力だ。強打でくるかな、と思うと、プッシュ気味にフェイントを落としたり、スピード満点の平行トスを小気味よく決めたり…。かたや後衛から、バックアタックのタイミングで入ってきて、絶妙のタイミングで軟攻をしかけたり…。最高到達点も310センチ近くだから、高さでも勝負できるところがすごい。敵ながらあっぱれと思った、最初の選手。ただ、ちょっと気になるのは、彼女が昨年のアジア大会で復帰(ビーチで)したこと。吉原に影響されて、もし彼女が「インドア代表復帰」になろうものなら、これは大変だ。

チャン・ユンヒ チャン・ユンヒ(その2) スピード満点!

この当時の韓国は、彼女がいるのといないのとでは全くちがうチームのように見えました。真ん中の写真に注目!対ロシア戦で、1枚とはいえシャチコワのブロックに臆することなく挑み、決めています。これぞ、チャン・ユンヒ! これぞチャン・ユンヒというスパイクをもう一つ。全くブロックがついて行けてないような感じで打っています。

2.伝説の名セッター、イリーナ・キリロワ(クロアチア)
 クロアチアといえば、すぐに頭に浮かぶのが、もはや伝説になりつつある大エース、バーバラ・イエリッチだろう。2000年のシドニー五輪最終予選、東京体育館。彼女のサーブがネットインして日本のコートに落ちた瞬間の、あの異様な静寂を生で見ていた。その時、彼女をここまで大きくした存在は誰なのか考えていた。そして出た結論。やっぱり、キリロワだと…。
 彼女は1991年か1992年に、クロアチアへ帰化した。それまでは体制が崩壊する前のソビエト連邦のセッターだった。ロシア語名は、「イリーナ・パルホムチュック」。1988年のソウル五輪と1990年の世界選手権で、ソビエトが優勝した時の、まさに立役者だった。世界一の名セッターの名を欲しいままにしていたのである。その5年後のワールドカップ、彼女は「イリーナ・キリロワ」として再び世界の桧舞台に立った。クロアチアのキャプテン、そしてチームの司令塔として。国際舞台にデビューした頃、同年代の中田久美とネットをはさんで舌戦を繰り広げた激しい気性は、すっかり影を潜めていた。ソビエトを2度の世界一に押し立てたその素晴らしいトスワークは、年齢を重ね、さらに磨きが増していた。まさに、「マイスター」の域に達していた。そのトスにのって、イエリッチは大きく羽ばたいたのである。
キリロワ キリロワ(その2)キリロワ(その3)

本当は、プレーしている写真が欲しかったなぁ。これは記者会見での映像に見えますが、ホント、キャプテンらしく落ち着いた、「大人のオンナ」ですね。真ん中の写真は、イタリア・セリエAでのプレー姿です。でも、彼女にはやっぱり「CCCP」のユニフォームが似合うなぁ…。そして、現在のキリロワです。もうすぐ40歳だというのに、まだ現役バリバリ!日本にもこんな選手が早く出てきて欲しいものです。

3.大ナタの中にカミソリの切れ味、バレンチーナ・オギエンコ(ロシア)
 ソビエト、いやロシアバレーボール史上、最高のセンタープレーヤーだろう。試合中いつも怒ってばかりのニコライ・カルポリ監督の隣で、冷静に選手に細かな指示を与えるロシアチームの参謀でもある。ロシア(ソビエト)のアタッカーといえば、現在のエースアタッカーであるアルタモノワをはじめ、スミルノーワ、シドレンコ、ゴーディナ、シャチコワのように大きくてパワフルなスパイクを打つ選手が圧倒的だろう。その中でオギエンコは182センチと小柄(この中では)だが、スパイクのスピード、切れ、テクニック、どれをとってもピカイチだった。特に、前述のキリロワがソビエトのセッターだった頃のオギエンコとのコンビネーションは、名実ともに世界一だった。9メートルのネットの幅をいっぱいに使って繰り広げるブロード攻撃は、トスのタイミング、走り出すタイミング、片足で踏み切って、最高打点で打つタイミングすべてが、まさに芸術の域に達していた。キリロワがいなくなってからのオギエンコは、その時の輝きとすご味が、少し薄れてしまったように思える。

オギエンコ オギエンコ(その2) オギエンコ(その3)
これは、コーチを兼任するころになっての姿ですね。現役バリバリの頃は、ポニーテールにヘアバンド姿でした。ホント、りりしかったなぁ。いろいろ探したら、ありました!現役時代のオギエンコの写真。いやぁ、若い!そして、発見しました。これぞオギエンコの移動攻撃。ブロックに跳んでいるのは…な、なんと吉原知子!

4.悲運の大エース、アナ・モーゼ(ブラジル)
 勝利の世界に「れば」「たら」は禁物だが、選手のコンディションが最高ならば、1996年のアトランタ五輪はブラジルが金メダルを取っていたはずである。5人のアタッカーが絡む、速くて低いトスからのバックアタックと、ネットの幅をいっぱいに使ったコンビネーションバレーは、高さとパワーを兼ね備えていて、未来の女子バレーを体現した素晴らしいものだった。その中心にいたのがアナ・モーゼである。彼女の持ち味は、前衛での強烈なオープンスパイクと、バックからの速いバックアタック、そして、相手のサーブレシーブを吹っ飛ばしてしまうほどの強烈なジャンピングサーブ。しかし、最高のプレーを見せるはずだったアトランタで、持病であった両ひざの痛みが悪化し、事実上の決勝戦といわれたキューバ戦(準決勝)では、持ち味のバックアタックがなかなか決まらず、フルセットで敗れてしまった。予選リーグではストレートでキューバを破っていただけに、悔やんでも悔やみきれなかったはず。ロシアを下して、初のメダルを獲得したものの、本番でのコンディション悪化に泣いた、まさに悲運のエースだ。

ana moser 獲物を狙う目 アナモーゼ・スパイクアナモーゼ・試合開始前

 アナ・モーゼって、どこかしらテーピング巻いてた姿の印象しかないけど、本調子だったら、本当にヘビー級の破壊力を誇っていたんだろうなぁ。右の写真はこれからまさにサーブに入るところ。彼女といえば、やはりジャンピング・サーブですね。やっと見つけました。これぞ、アナ・モーゼといわんばかりの強打ですね。そしてラストの写真。この頃、すでに引退を決めていたのでしょう、このように笑顔でプレーする姿が多く見られました。

5.アテネで最後の夢をつかむために…現役最高のセンター・吉原知子(日本)
 僕の一番大好きな選手である。あえて誤解を恐れずにいうならば、現在の日本の現役選手の中で、最高のプレーヤーだ。もちろん、世界でも有数のプレーヤーでもある。国内において、数少ない五輪経験者の一人。彼女のクイックの速さ、ブロード攻撃の幅の広さとしなやかさ、そして豊富な攻撃のバリエーションとテクニックは、国内随一である。しかし、最大の魅力は、なんといっても、バレーボールに対する姿勢と勝負に対する姿勢の素晴らしさにある。彼女の優れたリーダーシップと熱い思いは、今の全日本にいちばん必要なものである。この年齢にして、フィジカルデータも素晴らしいものがある。東洋紡でプレーしていた頃、長年コンビを組んでいた永富有紀とともにチームを引っ張っていたが、吉原はチームを引っ張る「表番長」、永富はその表番長を引っ張る「裏番長」という感じだった。今、日本に必要なのは「表番長」である。シドニー予選の後、「あの時、吉原がいれば…」といった同じ轍を踏むのはごめんだ。アテネへ向け、今全日本に最も必要とされている選手のひとり。昨年行われたワールドカップ、まさにキャプテンとして獅子奮迅の大活躍。栗原恵・大山加奈といった若手、杉山祥子・竹下佳江・高橋みゆきの「シドニーリベンジ組」を見事なまでにまとめ上げ、五輪出場権まであと一息のところまでこぎつけた。そして、五輪最終予選でついにアテネ出場を達成した。アテネ五輪本番にむけて、夢と期待は膨らむ…。

yoshihara yoshihara 2吉原知子(その2) スーパーエースと、表&裏番長 W杯・吉原1 W杯・吉原2


 これは、東洋紡時代のものです。ポイントを取れるサーブ、速攻の切れのよさ、美しいブロード、すべての若いセンターのお手本となるべき選手だと思う。ゲーム中の彼女は、四六時中こんな感じ。この姿勢こそ、今の日本のナショナルチームに一番必要なことかもしれない。そんなことを思っていた矢先、全日本復帰が発表されました。しかも、キャプテンで!その矢先に、黒鷲旗でみごと優勝しました。その時のセリフがまた絶品でした。「年齢の事ばっかり言われて、見てろ~と思ってた」と。これですよ。彼女の最大の魅力は!アテネへの救世主となれるか?要注目!最後の画像も、東洋紡優勝時のもの。中央は今年彼女とともに復帰した佐々木みき、右は「裏番長」こと永富有紀。永富が鬼軍曹として、コーチで復帰したら面白いだろうなぁ!
 そしてW杯本番。最高でした…。アテネで、あなたの最高の笑顔と涙を見たい…

6.五輪最終予選で復帰!史上最高のオールラウンド・プレーヤー、リュボフ・シャチコワ(ロシア)
 ロシアが生んだ最高のプレーヤーの一人。190センチの長身に加えて、オープン・速攻・バックアタックと何でも打てる。当然ブロックも高いが、それ以上にロシアでナンバー1と言われる強烈なジャンピング・サーブを武器に持つ。さらに、リべロもこなせるほどの素晴らしいレシーブ力も持ち、セッター以外のすべてのポジションを「平均点」以上でこなせる選手。かつての名プレーヤー、バトフチナを一回りスケールアップしたと思えば、わかりやすいだろう。ポジションはライト。アルタモノワも真っ青の破壊力のある強打と、オギエンコやティーシェンコ顔負けの幅広いブロードが打てる選手がライトにいるわけだから、ロシアが「実力世界一」と言われるようになったのもうなずける。なかでも、低くて速いトスからのバックアタックの決定力は素晴らしいものがある。2001年のワールドグランプリ以降、ナショナルチームに選ばれていないのが気にかかる。聞けば、トルコリーグに所属しているそうだが、彼女の存在なしでは、アテネでのロシアの悲願の金メダルはありえないと思うのだが…。と思っていたら、今年の五輪最終予選で、ロシア代表に復帰してきた。そうなると、ロシアは一気に金メダル候補に躍り出ることができるだろう。

シャチコワ(サーブ) シャチコワ(レシーブ) シャチコワ(オープン)シャチコワ(バックアタック)

 こうやって、一つ一つのプレーを見ていると、本当にバランスの取れた素晴らしいプレーヤーだと思います。大型で、しかもこれだけ動ける選手は、ロシアにはないタイプの選手ですからね。攻撃ではアルタモノワとティーシェンコの役割を、守備ではバトフチナの役割を一人でこなせるわけですから、これはすごいです。それなのに…なんでロシアチームを離れたんだろう…?と思っていたら、またあの勇姿が見られるんですね。




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