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なかちゃん@那覇の日々のくすりばこ

期間限定!水虫治そう!

期間限定!水虫治そう!

さて、この時期になると老若男女を問わず悩まされるいやな病気、それが「水虫」です。かくいう僕もそれに悩まされている1人です。薬の選び方や診断を誤ると、かえって症状が悪化することもあり、身近な疾患でありながら注意が必要です。ここでは、その水虫についての対処方法などをまとめていこうと思います。

①まずは敵を知ろう!水虫の正体は?
 一般に水虫(たむし)の正体は、白癬菌といい、カビの一種です。この白癬菌、皮膚の一番外側の角質層に寄生して、冬場のように低温で乾燥しているときには鳴りを潜めていますが、春先から夏場のように高温でじめじめしてくると、増殖して患部を悪化させます。
 角質層は、外部の刺激や雑菌からカラダを守るために大変強固にできています。それだけに、いったん白癬菌が棲みつくと薬が浸透しにくく、なかなか死滅しません。しかも白癬菌の生命力は強く、はがれ落ちた皮膚の破片の中でも生きているといわれるほどです。したがって、水虫(たむし)には、角質層によく浸透し、その成分が効果を発揮する薬を選び、症状が消えてもしばらくの間は根気よく手当てすることが大切です。

 ここで白癬菌の詳しい性質についてお話しましょう。白癬菌は汚れを好み、温度15℃以上、湿度70%以上の条件で生息・増殖するといわれています。したがって、夏の靴の中は格好の生息場所になるわけです。ですから、白癬菌の根絶には、患部を冷やして、乾燥させることを心がけましょう。


②水虫の主な症状を教えて!
 さて、一口に水虫といっても、大きく分けると、3種類の病態に分かれます。この3つとは(1)趾間型、(2)小水疱型、(3)角化型です。ここではそれぞれの特徴について学びましょう。

 (1)趾間型
趾間型
 指と指の間(趾間)に白色の浸軟をきたし、病状の進行とともにびらんとなり、その周囲に鱗屑が見られます。かゆみが強いですが、びらんになると痛みを伴います。じゅくじゅくしたタイプの代表で、2次感染を起こしやすいやっかいな代物です。
 (2)小水疱型
角質増殖型
 かゆみが強く、軽度の発赤、半米粒大の小水疱が密集したり環状に配列します。足に最も多く見られるタイプで、夏に多く見られます。
 (3)角化型
水疱型
 足の裏全体に皮膚が乾燥した状態になり、一瞬パッと見では足にひびが入ったような感じになります。かゆみは少ないのですが、角質の増殖が見られます。夏に増強しますが、冬でも見られ、なかなか治りにくいタイプです。


③この3つだけではありません!最強の白癬とは?
 実は、治し方が中途半端だったりすると、白癬菌は爪にまで入り込んでしまい、治るまでにさらに長期の時間を費やしてしまうことにもなります。これが「爪白癬」です。爪白癬の病態は、こんな感じです。
  爪白癬
 ごらんのように、爪の先が真っ白になった状態が多く見られます。このような状態になると、外用薬だけでは治すのがむずかしくなり、内服薬の服用を余儀なくされることになってしまいます。


④水虫を根本から治すために。
 さぁ、このやっかいな水虫を治療するには、根気よく、時間をかけて治すことが必要です。水虫の治療には外用薬と内服薬が用いられますが、外用薬使用の場合はおおよそ4ヶ月くらい、内服薬使用の場合には半年くらいは使用が必要になります。そして、薬剤も病態に応じて、剤型を選んで使用するようにしたいものです。

(1)カサカサ型(角化型)の場合
 この場合には、薬剤の粘性の低い液剤やクリーム剤の使用が適しています。皮膚の角質層に浸透しやすいためです。
(2)ジクジク型(小水疱型、趾間型)の場合
 この場合には、軟膏剤の使用が適しています。軟膏の基剤とジクジク部の水分がほどよく混ざり合うことで薬剤の成分が角質層に浸透しやすくなるためです。
(3)爪白癬の場合
 この場合には、内服薬の使用を余儀なくされます。爪白癬の場合、爪の伸びる力を逆手にとって、菌を殺したあとに、新しい爪が白癬菌に感染した古い爪を押し出すことで完治に向かいます。

 なお、腫れや痛みを伴う時には、その原因を取り除いてから手当てを行ってください。ここでもう一つ注意点を!内服薬を用いる場合、医師の処方箋において「イトラコナゾール(商品名:イトリゾール)」というお薬が処方されている時には、併用薬に要注意です。このときには、必ず医師や薬剤師に相談してくださいね。


⑤ふだんから気をつけられることは?
 この4つのポイントをふだんから気をつけておきましょう。

 Ⅰ.冷涼
 白癬菌は、高温多湿が大好き!特に炎症を起こしていたり、腫れたりしたときには、乾燥と同時に患部を冷やしましょう。
 Ⅱ.乾燥
 患部が蒸れると症状が悪化しやすいので、風呂上がりに水分を拭き取り、靴下や履物は通気性のよい素材を選びましょう。
 Ⅲ.清潔
 患部はいつも清潔に!「弱酸性ビオレ」のような、刺激の少ない弱酸性石鹸で洗いましょう。
 Ⅳ.根気
 白癬菌はしぶとく、再発しやすいものです。「かゆみ」や「いたみ」などの自覚症状がなくても、根気よく治療を続けることが完治につながります。


 さて、簡単にではありますが、水虫についてまとめてみました。この厄介者を治して、快適なひと夏を過ごしてみましょうよ!


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