スウェーデンの夏ー1998
もう10年も前の思い出話です。当時、建築設計を学んでいた私でしたが、「設計士」になるより「職人」にひたすらアコガレておりました。卒業間近の頃、進路に悩む私にとある家具作家の方が「カペラゴーデン」という学校のことを教えくれました。カペラゴーデンとは北欧スウェーデンの南東、エーランド島にある工芸学校。木工・家具デザイン科、テキスタイル科、陶芸科、園芸科の4つのコースがあり、2,3年(園芸科は春から冬までの1シーズン)の期間、校内で学び・作り・生活します。校内にあるほとんどの生活道具などは学生が作って来たもの、もしくは作るもので賄われています。例えば家具は木工科の、食器は陶芸科の、ラグやマットはテキスタイル科の、そして野菜や果物は園芸科の作ったもの・・・。デザインは「新しさ」や「見た目」だけではなく「生活に根ざしたもの」でなくては・・・と漠然と考えていた頃で、これはもう何が何でも行ってみよう!と決心したのでした。とはいえカペラゴーデンではプロの職工さんが行くような高度な工芸学校。全く経験のない自分がいきなり本科に行くのは難しいだろうと思い、まずは2週間のサマーコースに参加することにしたのでした。なぜか我が腐れ縁相棒・kikiも一緒に行く事になり、1998年夏、2人でスウェーデンへ旅立ったのでした。それはそれはもう本当に夢のような時間。自然も、空気も、学校も、先生も、サマーコースの仲間達も、ご飯も、なにもかも素敵。学校はこんな感じ。 下宿棟と中庭。木工房。食堂。私は木工、kikiは陶芸のコースを受講しました。私の作った作品はこんな感じでした。スプーン。 スツール。私達の様な素人の受講生もいましたが、プロの職工さんもいたりして本当に楽しかった・・・。今となっては木工の技術や作った作品がどうのこうの、というよりも学校の空気感や雰囲気、美味しいご飯(結局はコレ)が強く心に残っています。その後、本科への入学にも応募してみたりしましたが、玉砕。結局は職人への道は歩まず、建築設計の仕事を続け、職人さんと結婚してしまったfuuですが、あの時の経験全てが、私やkikiの「モノをつくる」ことの根本になっているような気がします。こちらに参加しております。応援よろしくお願い致します。