★雇用保険利権
雇用保険は本来、労働者が失業した際の給付や職業訓練、その他労働者の福祉の増進のためにある。このことは法律の目的として書いてあるのだが、本音と建て前の世界では、職業安定行政の利権そのものである。労働保険料は特別会計でお役人様が好き勝手出来る魔法の財布みたいなモノだ。お役人様がその財布の中身を使う分には、かなりいい加減なことをしてもお咎めなしなのだが、部外者がその扱いを間違えるとたちまち事件になり、手痛いしっぺ返しが待っている。もっとも現在に至るまで、この俺も雇用保険の利権に群がってきたわけだから、一方的にそういうことが良くないと非難できる立場ではないのだが、最近の流れで、なんとなく職業紹介を分離民営化して、雇用保険を社会保険に統合するような不穏な動きがあるのが気に入らない。いわゆる徴収の一元化である。適用関係の一元化は拒んでいるくせに、金(保険料)集めは一元化したいらしい。雇用保険は加入しているが、社会保険は未だ加入していない事業所はまだかなりある。こういう会社は要注意である。雇用保険の加入データから無理矢理、社会保険の強制加入が待っているからだ。役人は、法律で決めれば、どんな泡沫企業でも保険料を払えると思っているらしいが、世の中の8割以上の法人は今も昔も赤字企業なのである。この流れで行くと次のトレンドは脱・労働者、脱・雇用契約である。この辺りは少し勉強と研究をして準備しておく必要があると思う。