★是正勧告書
臨検の結果、是正勧告書が交付される。報告の期限は2ヶ月後である。一番の問題は「過去2年分の残業代金の未払いについて遡って支払うこと」と書いてある点。この会社では、長時間労働が恒常化しており、監督官が言うには「過労死の申請が出れば認定する」ほどの事業所である。したがって月額5万円程度の定額の手当では、残業手当分をカバーすることは到底不可能だから、過去に遡ってキチンと計算して不足分を支払えと言うことらしい。密告者の完全勝利である。俺としては頼まれたので、ここまでつきあったが、顧問契約を未だ締結していない会社であるから正直、この勧告はキツイけど気は楽である。ここから先は、顧問契約をしなければ、付き合う気がないと先方に伝えてあるので、秘策はあるもの、あとは高見の見物を決め込むことにする。