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カテゴリ:社労士の本棚
社労士は年金の事なんてまるでわかっていない。社労士は年金の専門家なんて言っている人をみると、大風呂敷もいい加減にしろって思う。何故かというと、社労士が年金に詳しいのは、年金の受給要件とその具体的な手続きについてだけであって、年金の本質的な部分はまるでわかっていないからだ。 本質的部分は、厚労省が隠しているわけだから、社労士にはわからなくて当たり前で、それはなにかというと、この本のタイトルのとおり、「年金は本当にもらえるのか?」ということだ。この国の年金制度がどうなっていて、また将来どうなるのか、明確に理解して、精通している社労士は絶対にいないはずだ。 「年金は破綻しない」という大本営発表は必ずしも嘘ではない。財政は保険料の大幅な値上げと、給付の大幅な切り下げをすれば維持できるのだから、制度としては破綻はしないが、実際の老後の年金生活は、現時点でもすでに破綻しかかっている。
そもそも、この国の年金制度は、当初は積み立て方式だったらしい。賦課方式に変化したのは、田中角栄の時代で、人気取りのため、高齢者の年金を手厚くした結果、本来積み立ててあるはずだった年金原資の670兆円あったはずの厚生年金の積立金が現在わずか130兆円しかない・・・という事態になっている。 また、普段あまり気にしていなかった少子化の問題も、実はまだ始まったばかりで、これからの数十年間は、かなり厳しい上り坂がまっている。人口減少のスピードもこれから急激に早まる。結果、現行年制度の最大の問題点、世代間格差は話にならないほど酷いものになる。 よく言われる「世代間の助け合い」なんてのは嘘っぱちで、常に年金受給者が子どもの世代から一方的に収奪しているのが実態。こうなった原因はすべて、政治家と利権確保しか頭にない年金官僚が問題を先送りしてきたことにある。 社労士として、年金にどのようにかかわるのか。街角年金なんとかが、なにか本質的な部分で世の中、将来の日本に貢献できるはずもないことは、もう明白だと俺は思う。いわゆる年金問題の本当の姿がこの本に書かれている。社労士として、どう考え、どのように業務に反映させるか、自問自答すべきだ。 先送りはすべきではないと思う・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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