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カテゴリ:信濃追分からの旅
下諏訪・岡谷方面へ行ったので、今も息づく製糸工場を見学させてもらいました。
「懐かしい!」と思う方もおられるでしょう?天の虫と書いて、蚕(かいこ)。 親愛の情をこめて、「おかいこさん」と、言っていました。昔はたくさんの家で、 おかいこさんを飼っていました。このおかいこさんは、桑を沢山食べてもうすぐ、口から 糸を吐いて繭を作り出すそうです。 乾燥機にかけた繭を、2こ頂きました。振ると、カラコロと音を出します。 この繭をお湯につけて、細い糸を取り出して、十数本の糸を撚ってシルクの糸に仕上げます。 1個の繭から細い絹糸が1000~1500ⅿ出てくるので、吃驚!です。 実際に、10年ぐらい前に海野宿で繭をもらい、お湯で温めながら繭から糸を取り出して、 撚糸を作った経験があります。そのときは、座繰機も持っていなかったので、 すべて手動でした。 岡谷市の宮坂製糸所を訪ねました。諏訪式と上州式を取り入れて、現在も製糸を 続けておられます。今年は春の冷害で、蚕の餌となる桑の生育が思わしくなく、残念ながら 現在は諏訪式の方は、停止中でした。 「ああ野麦峠」の映画に出てくるのは、諏訪式の繰糸機です。 こちらは、上州で発明された上州座繰機を使っています。昔からのこの仕事にあこがれて 若い人達も働いておられました。 養蚕農家は、信州では伊那の方で50軒程あるそうです。 こちらは、中山道魁塚の近くに工場がある松澤製糸さんです。諏訪式が発達して オートメーション化した機械です。管理するのは少人数で、沢山の糸が作られていました。 光沢のある美しい生糸が作り出される、日本の伝統的産業ー 製糸所が途絶えることなく 続いていかれますようにと、願いました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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