病があっても倒れても、いついつまでも「自分らしい」人生を送り続けるために 福祉サービス評価機構 臨床介護研究センター所長 奥住浩予氏
7月5日17時40分より、博多法人会 厚生委員会セミナーがハイアット・リージェンシー福岡にてありました。演題は「病があっても倒れても、いついつまでも自分らしい人生を送り続けるために」とでした。福祉サービス評価を主に行っている福祉サービス評価機構の臨床介護研究センター所長の奥住浩予さんでした。日本人男性の平均寿命79,29才は世界3位。女性は86,05才で世界1位。しかし、ガンなどの治癒技術が上がれば、女性は100歳を超える。日本には、100歳以上の方が41000人いる。その中の70%が女性。65歳以上の79%が介護不要、要介護者は17%いる。上記の要介護者の病気は、脳血管系が1番、認知症、転倒骨折の順位になっている。 脳血管系で緑内障もある。この病気は失明もある。認知症で有名なのがアルツハイマー。現在、この病気に認定されている人の数がどんどん増えてきている。正常な方の脳と、アルツハイマーの方の脳の写真を見ると、違いは明らか。見るだけでも怖い映像でした。アルツハイマーは前頭前野が病気になり、思考、行動、コミュニケーション意志の決定、感情の制御などができなくなる。末期には、家族の顔さえも忘れる。何回もスーパーへ買い物に行ったり、食事を取ったりする。この症状は、想像を超えるもの。いろんなものを忘れていく。家族がこの病気にかかって1番の問題は、認知症で変化していく親を受け入れられないこと。ありのままを受け入れられない。介護する側も大変。介護ストレスやイライラが重なり、病人を怒ったり、叩いたり、つねったりする。挙句の果ては、介護放棄をする。介護しない。そして、食事を与えなくなる。介護する側が、虐待をしている。ある老人ホームでは、患者が動かないように、手足を縛り動けないようにしていた。家族の了承も済んでいる。こんな介護生活を送りたいのだろうか?アルツハイマーの患者さんでも、生きている。楽しい生活を送りたいと思っている。 その為には運動をする。週3回以上。役割を持つこと、夢や趣味、仲間を持つことで変わる。それをしてもらうことで、患者さんの顔が朗らかに変わって行く。また、介護をお願いする人も選んでいかなければならない。認知症の人への理解が深い人で、対処法をいくつも勉強している人がいい。また、患者さんと相性がいいことも重要。介護をする人も利用する側がキチンとチェックする必要がある。介護された経験も、介護した経験もない私には、衝撃的な講演でした。介護保険制度がスタートして10年。この世界も、まだまだなのだと感じた事と、介護す側の苦労が伝わります。認知症の方も人間、楽しい生活を送りたいと思っていることが、良くわかりました。日常から介護される側にならない様な努力と、介護される側になったときにどうすれば良いのかを考えさせられました。奥住さんありがとうございました!