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2006.07.24
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カテゴリ:病気を知りたい。
死者急増、進まぬ対策 インドネシアの鳥インフル

記事:共同通信社
提供:共同通信社

【2006年7月24日】

 インドネシアで20日、鳥インフルエンザによる死者が累計42人に達し、ベトナムと並び世界最多となった。鶏を処分して感染を封じ込め、今年は新規患者ゼロのベトナムとは対照的に、速いペースで患者が増え続けるインドネシアは対策が進まず「患者発生がいつ止まるのか全く見通しが立たない」(専門家)状況だ。感染の繰り返しでウイルスが人間に感染しやすく変異すれば、被害はさらに拡大しかねない。国際機関は相次いで強い危機感を表明し始めた。

 ▽警戒地域

 「リスクは世界最高で、対処能力は最低だ」

 世界銀行は6月、インドネシア支援を協議する日米欧などの会議に提出した報告書で、同国の鳥インフルエンザ対策を酷評した。人間への感染を断つには鶏の大量処分が有効なことは、過去の香港やベトナムの経験から明白だ。しかしインドネシア政府も処分の方針を口にはするものの、実際には予算不足を理由にほとんど動いていない。

 「現時点で大きなウイルス変異は起きていないが、ヒトからヒトへと容易に感染する段階に進む可能性は十分ある」と報告書。同様の懸念は国連食糧農業機関(FAO)からも出た。

 ▽慣れっこ

 インドネシアの鶏に鳥インフルエンザが広がり始めたのは2004年。最初は比較的大きな養鶏業者の被害が目立ったが、その後は一般家庭で食料や副収入源として飼われている鶏にも拡大。地方への権限移譲が進み中央政府の統制がきかない状況も手伝い、監視や対策が一層困難になった。

 ある世界保健機関(WHO)関係者は嘆く。「患者が出たというので現地に入ると、そこの鶏で大流行が起きている。本来は鶏の流行を先に検知し、人への感染を防がなければならないのに」

 国民の危機意識は極めて希薄だ。対策強化を求める国際社会の圧力を受け、インドネシア政府が3月に設置した国家対策委員会のナイポスポス副委員長は「致死率が高いニューカッスル病の流行も珍しくなく、国民は鶏が死ぬのに慣れっこになっている。死んだら川などに捨てるだけだ」と背景を説明する。

 ▽情報非公開

 今年4月下旬から5月にかけて北スマトラ州カロ県で家族ら8人が感染し、そのうち7人が死亡するという最大級の集団感染が発生し、国際的な注目が集まった。

 WHOが調べたところ、ウイルスにはヒトでの大流行につながるような重要な遺伝子変異こそ起きていなかったが、8人中7人はウイルスのヒトへの定着を促進しかねない「ヒトからヒト」の感染と分かった。

 関係者によると、6月末にWHOなどの専門家を集めてインドネシア政府が開いた会議には、細かい変異を含むウイルスの詳しい分析結果が提出されたが、政府はその内容を公表していない。国際保健専門家の1人は「対策の遅れは以前からの問題だが、最近は情報公開も遅れ気味のように見える。心配な状況だ」と漏らした。(ジャカルタ、ワシントン共同=上村淳、吉本明美)

*観光でインドネシアに行くのは危険かもしれませんね!





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最終更新日  2006.07.25 07:25:46
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