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カテゴリ:健康のために
禁煙治療 保険適用されて1年。ニコチンパッチの効果は。
【2007年4月24日】 医療ナビ:禁煙治療 保険適用されて1年。ニコチンパッチの効果は。 ◆保険適用されて1年。ニコチンパッチの効果は。 ◇半年後も半数吸わず 血中の濃度安定、喫煙欲求抑える ◇体験者の支援成功後押し 禁煙治療に保険が適用されて今月で1年。最初は医師による指導・管理が対象だったが、昨年6月からは、皮膚にはるニコチンパッチも適用になった。どの程度の効果を上げているだろうか。 「喫煙の習慣は、アルコール依存症と同じように『ニコチン依存症』という脳の病気だと思ってください」。禁煙外来を開設している大阪府立健康科学センターの中村正和・健康生活推進部長は、こう強調する。 たばこを吸うと血液中のニコチン濃度が急激に上がり、脳内でドーパミンという物質が多く分泌される。そのときに満足感が得られるが、30分程度でニコチン濃度が半減するため、イライラなど禁断症状が起きる。これがニコチン依存症だ。喫煙者の半数以上が依存症といわれる。 いったん依存症になると抜け出すのは相当に難しい。同センターが05年~06年、禁煙外来を訪れた約1700人の喫煙者を調べたところ、1年後に禁煙していたのはわずか7%だった。 *禁煙治療の中で効果が期待されているのが、ニコチンパッチ。中村さんは「パッチだとニコチンが安定して吸収されるので、喫煙欲求が抑えられる」とパッチのメリットを説明する。 ニコチンパッチは丸いシール状。皮膚にはるとニコチンが徐々に吸収される。ニコチンの用量によって、直径約6センチ、約5センチ、3・6センチの3種類がある。保険の適用は5回分で、パッチの支給枚数に上限はない。治療費の自己負担は初診料も含め3カ月間で約1万2000円だ。ニコチン入りの禁煙ガムは薬局で市販されているが、保険は適用されていない。 厚生労働相の諮問機関の中央社会保険医療協議会での報告によると、今年3月に2225人を対象に治療後半年の禁煙状況を調べたところ、全体の禁煙継続率は、3カ月後に35%、半年後に33%と3分の1程度にとどまった。 しかし、ニコチンパッチで5回の禁煙治療を受けた約600人のうち約63%は3カ月後も禁煙を継続し、半年後でも約54%が禁煙を続けていた。厚労省医療課は「5回の治療を受けた患者ほど禁煙の継続率が高い」と一定の効果を指摘する。 * 保険適用以前からニコチンパッチを使い、これまでに約3万人を治療してきた高橋裕子・奈良女子大保健管理センター所長(京都大病院の禁煙外来担当医も兼務)によると、ニコチンパッチを使うと、1年後でも3割程度の人は禁煙に成功しているという。 大半の医療機関は患者の要望に応じて、禁煙に成功したボランティアが携帯電話やパソコンのメールで定期的にアドバイスしたり、相談に乗るサポート組織を紹介してくれる。高橋さんは「パッチの治療が終わっても、やはり吸いたくなる時がある。サポート組織の支援を受けると、成功しやすい」と自らの治療体験を基に話す。 禁煙治療が保険適用になっても、治療を受けている人は全喫煙者の1%程度という。患者が少ないため、保険適用の廃止を主張する声もあるが、高橋さんは「保険適用前に比べ、禁煙治療を受ける患者は2-3倍に増えた。保険を廃止したら、患者はもっと減る」と存続を訴える。 中村さんも「自分1人の意志に頼るより、医師の指導を受けた方が楽に禁煙できる」と気軽に禁煙外来を訪れるよう呼びかけている。 日本の喫煙事情に詳しく、FDA(米国食品医薬品局)でたばこ規制の政策作りにかかわっていた喫煙問題専門家のミッチェル・ゼラー氏は「日本でも米国並みに薬局でニコチンパッチが入手できるようになれば、もっと禁煙の成功率は上がるだろう」と話している。 *禁煙指導の出来る施設でしかニコチンパッチを処方できないので気軽に要望して出来る禁煙でないのが現実で保険適応と言っても全員が平等に受けれると言うものでないのが残念です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007.04.26 07:58:58
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