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木ノ根山(Ⅲ木之根)
訪問日 2020年5月29日、晴れ(初回訪問日1991年4月28日) 等級:三等 標高:1046.8m 1/25000地形図:守門岳 コースタイム:林道土砂崩落現場(8:22)→図A地点(着9:43、出9:48)→一等水準点6732(着10:02、出10:07)→県境(着10:09、出10:15)→木ノ根山山頂(着11:13、出11:48)→県境(着12:42、出12:46)→図A地点(13:15)→林道ゲート(14:50) 五味沢林道を歩き、八十里越に出て、県境から木ノ根山を訪ねてきました。当初の予定では、木ノ根山から県境稜線をさらに進み丸倉山(Ⅲ西大平)付近まで行く予定でいましたが、ほかの山域に気を取られすぎて、ここを訪ねるのが遅れてしまい、残雪をほとんど拾えずヤブがうるさく、木ノ根山で引き返してきました。前回訪ねた1997年(平成9年)当時と比べると林道の変貌ぶりに唖然とました。 - 赤の線が行動ライン スタートとゴールが異なるのは、山菜取りの車に便乗したことによる。 木ノ根山の名称は下田山岳概略図による。 魚沼市大白川から県道385号線を進み、五味沢林道の入口に車を留め、出発準備をしていると、地元のタケノコ採りのご婦人方の軽乗用車が2台登場、専用の道具でゲートを開け始めました。乗って行けと誘われたため、これは渡りに船と思い、同乗させてもらうことにしました。写真は五味沢林道入口ゲート(帰路撮影) 左沢や右沢に新しい堰堤ができていて、林道もその付近までは道が良好ですが、それを過ぎた途端に悪路に変わり、たいして進んでいない地点で、崩落した土砂が道をふさぎ、自動車はここまでとのことでした。帰路歩いた時間から想定すると、約15分得したくらいでした。ジムニークラスの車ならもう少し先へ進めるのかもしれませんが、いずれにせよ倒木があったり、重機が必要な大きさの岩が転がっていたりで、この林道が全く維持管理されていないことがわかりました。昔は田代平の入口まで車で行けたんですけどもね…… 途中、「左沢谷地」へ行く林道の分岐がありました。入口を見ただけですが、こちらの林道(写真)も荒れていました。 イチゴの花が咲いていました。花弁が7つあることからノウゴウイチゴと思われます。高山植物です。実は8~9月ごろ熟し、野生のイチゴとしてはシロバナノヘビイチゴとともに香りや甘さに優れているとのことです。 途中の葦ヶ沢橋。林道もこのあたりまで来ると完全にこう配のゆるい山径と化していました。 上の地形図のA地点付近から八十里越へショートカットしようと思っていましたが、おあつらえ向きにリボンがぶら下がっていました。ただし、踏み跡はかなり不明瞭でリボンを確認しながら進みました。 八十里越に出ました。この辺りは明治時代からの径の形が残っているところです。写真は鞍掛峠方向です。 すぐ近くに、八十里越の歴史の一端を語る一等水準点6732がありました。写真中央が標石。その周りにきちんと4個の保護石があり、風格を感じました。 刈り払いはしませんでしたが、接写しました。標高845.3895m、明治時代の測量ですので、地殻変動等により多少ずれているかと思います。新潟県側の八十里越の一等水準点で現在確認されているのは、この6732と吉ヶ平にある6742のみです。詳しくは「吉ヶ平から猿ヶ城(Ⅲ猿ケ城)」を参照。 水準点から2分ほどで県境に到着しました。「木ノ根峠」あるいは「八十里峠」と呼ばれています。その先は福島県です。右側の石碑は道標でした。 県境左側の石碑です。「木ノ根茶屋跡」と刻まれていました。八十里越が衰退した原因として、磐越西線の開通、1926年(大正15年)7月の水害、「お助け小屋」的な役目を担った木ノ根茶屋等、途中の小屋の廃業などがあったようです。 福島県側へ少し進んだところから県境に沿ってヤブの中に入りました。はじめはブナ林で歩きやすいのですが、徐々に根曲竹や灌木のヤブがうるさくなりました。ヤブの中に一条の光が差し込み、ショウジョウバカマが咲いていました(写真)。 木ノ根山の山頂近くなると残雪も出てきましたが、楽に進めたのは50mもないくらいでした。 1997年(平成9年)5月に来た時(写真)は、かなり雪も残っていて、歩きやすく、かと言って完全に雪に覆われているわけではなく、木ノ根山の三角点標石付近はすでに雪が解けていて、最高のタイミングでした。 山頂に到着、ヤブの中に三角点標石を見つけました。 ここはこれで3回目です。 ハンディナビでは位置精度5mで、北緯 37°24′08.7″、東経 139°12′20.8″でした。国土地理院の成果では北緯 37°24′08″.7030、東経 139°12′20″.7372です。 山頂の福島県側にわずかな雪が残っていましたので、ブヨがうるさかったものの、ここで昼食を取ることにしました。 浅草岳(写真)が見えました。福島県側はヤブが雪の下になっていてよく見えましたが、福島の山に詳しくなく、どれがどの山かというのはよくわかりませんでした。 予定していた丸倉山(写真)はヤブが濃く、ここで引き返すことにしました。 帰路撮影した木ノ根峠手前のブナ林。この付近のヤブは薄く、歩きやすい方でした。 峠付近に降りるとサンカヨウの群生地がありました。 峠にも咲いていましたので、今度は接写しました。雨に濡れると花びらが透明なるらしいのですが、まだその状態を見たことかありません。実は食用になり甘いとのことです。今度、実を見かけたら食べてみようと思っています。 帰路、田代平へ寄り道するかどうかで悩みましたが、径の状態の確認もかねて、そちらの方へ進んでみることにしました。写真は途中で見えた黒姫です。この山は例年遅くまで雪が残っています。 途中の湿地にたくさんの水芭蕉が咲いていましたが、花も終わりに近づいていました。 林道から田代平へ進むべく、一旦林道に出ましたが、径の状態がよくないように見えましたので、引き返すことにしました。 気になりましたので、帰路、再びノウゴウイチゴの花の写真を撮りました。 今回、この山域周辺の変貌ぶりに驚き、あっさり引き返しましたが、途中にある破間川の堰堤ぐらいは偵察しておけばよかったなと帰宅後に後悔しました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.06.05 17:59:40
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