リクルートの宿泊予約サイト「じゃらんネット」と、ホワイトベアー・ファミリーの高速ツアーバス予約サイト「高速バスドットコム」の提携が発表された。「じゃらんネット」は、本業の宿泊予約の分野で私の会社(厳密には親会社)と激しいシェア争いを実施しているし、「高速バスドットコム」は、数多い高速ツアーバスの受託販売サイトの中でも、たくさんの企画実施会社の商品を平等に取り扱い空席検索結果から比較検討のうえ予約できるという、私のサイトと同じスタイルを取る唯一のサイトだから、当然考えられた提携である。「高速バスドットコム」は、これで、MSN(マイクロソフト)、YAHOO!トラベル(ヤフー)、じゃらんネット(リクルート)と、なかなか強力な面々と提携したことになる。もちろん、「インターネットでモノを売る、予約を取る」という点では我々こそ本流であり慌てる必要はないと考えているが、ますます気を引き締めて業務にかからないと。
「高速バスドットコム」の提携先では、特にYAHOO!トラベルが印象的。メインである宿泊予約の分野でかれこれ10年近い付き合いになるJTBの高速バス予約(つまりデータベースは発車オーライネット、すなわち高速路線バス)ではなく、高速ツアーバスを扱う高速バスドットコムを選んだ点が当時は驚いた。みんな、よほど私の会社(バスだけじゃなくてトラベル全体、グループ全体)が憎いのかなあ?それとも真似をしたいのかなあ?? もっとも、仮にYAHOO!トラベルとJTBが今のまま提携しても高速路線バスがどんどん売れるとは思わないが。繰り返すが、インターネットは自動販売機ではない。売るには売るためのDNAが必要であり、中途半端な提携ではそれが伝わるはずもないからだ。
それはともかく、YAHOO!と高速バスドットコムの提携開始から1年ほどになるが、私のサイトに何かマイナスの影響があったかと言うとそれはゼロである。むしろ、プラスと言っていいのではないか。高速バス(高速ツアーバスに限らず)は認知度が上がればさえマーケットは簡単に拡大できるステージにあるから、販売窓口が増えれば乗客が増え、乗客が増えれば各社の事業規模が拡大する。高速ツアーバス全体の事業規模が大きくなれば私の会社の取扱高も結果として増えていくわけで、カニバリゼーションが絶対ないとは言わないが、今のところは成長圧力の方が大きくわずかなカニバリなど軽く相殺してしまう。新聞記者さんとお話しする際も「最近YAHOO!さんも始めたんですよ」などとご説明すると業界全体としての動きとして捉えてもらえ、それが記事につながったこともあるし。マーケット拡大の余地が大きい(ライバルを蹴飛ばさなくても成長できる)点こそ、高速バスビジネスの魅力である。
ただ、高速ツアーバスは大都市間の長距離夜行路線が多く、その意味では我々も「じゃらん」
も、せっかくの宿泊予約とのシナジーが出しづらい。一方、高速路線バスにはリゾートや温泉への路線も多い。箱根、富士五湖、那須、南紀白浜、城崎…私のサイトで宿泊予約しているお客様の数は膨大で、一刻も早くぜひその人たちに高速バスのご案内をしてみたいものである。
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Last updated
2009.04.14 18:57:16
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