506462 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

成定 竜一~高速バス新時代~

2012.01.22
XML
カテゴリ:高速ツアーバス
昨日まで4泊の出張は、火、水、木と地図に一筆書きするようにうまく日程を組めた。西に行くのだからせっかく、と、金曜は周辺の路線バス事業者に営業を兼ねご挨拶に回り、大阪泊で予定を組んだ。大阪泊としたのは、暗くなってから無愛想な新幹線、それも金曜夜の混雑のなか帰るよりは、1泊して誰かと飲んで土曜は高速バスでも乗り継いで帰ろうかなあ、程度のつもりだった。さあホテル勤務時代の上司にでもおごってもらおうか、翌日はどの路線を選ぼうかなど考えていたら、出張に出る直前におあつらえ向けに大阪から電話があった。あまり規模の大きくない、ある高速ツアーバス企画実施会社の担当者。

楽天勤務時代から、営業にお邪魔すると必ず夜は食事に誘い誘われ、取引先(または取引先候補)というより「友人」「兄貴分」と呼びたい人物が全国にいる高速路線バス事業者達とちがい、意外かもしれないが、高速ツアーバス企画実施会社で、個人的に飲みに行くような相手は実はあまり多くない。彼はその少ない一人だ。多くのツアー各社にとって私は、売上の多くを握られているうえに(私が楽天を辞めた今ではもう関係ないのだが)、営業面では単価アップの話ばかりされ、運営面では協議会を作って集合場所問題など小言ばっかり言うは、最後には制度改正にかかわり「お前ら旅行会社からバス会社になれ」と生き様まで変えさせられるは、あまり親しく話ができる相手ではないことだろう。

とはいえ、彼ら一人ひとりの人生にとって重要な局面にあるのも事実。もともとバスを持つ会社ならともかく、純粋な旅行会社、それも決して規模が大きくない会社にとって、今回の制度変更は会社の存亡に直結する。うまいお好み焼きをごちそうになりながら、ハラを割って話せたことはよかった。本来なら、個人的にさほど親しくない他の会社とも、これくらい話し合うのが本来の(「ツアー陣営」顧問としての)私の役割なのかも、とちょっとだけ感じたが、「路線陣営」各社からいただく仕事でいっぱいいっぱいなのも事実だし…

お好み焼きの後は当然のように、高速ツアーバス各社が集合場所として活用する梅田プラザモータープールへ。新宿や東京駅にはなるだけ顔を出すようにしているけれど、また、大阪の各高速路線バスのターミナルには何度となく行っているけれど、出発時間帯のプラザは実は初めて。正直「アウェイ感」ありありでプラザに入った瞬間、センディングの「ドン」が私を見つけて右手を差し出しながら笑顔で近づいてきてくれた。会社の売上(ほぼイコール私の給料)も割いている時間も、8割以上は「路線陣営」である今の私だが、また上に書いたように決して高速ツアーバス各社にとっては親しまれる役回りではなかった私だが、忙しいなか歓迎してくれたことに深く感謝しながら固く握手。

それにしても、出発時間帯のプラザは初めてのはずなのに、どこか懐かしい。一つには、当然そこに出入りするバスは、楽天勤務時代に一緒に成長してきた取引先各社のもの。昨年2月に楽天を離れてから1年弱、協議会から顧問の仕事をもらっている以外はほとんど全て高速路線バス事業者とのお付き合いだったが、入線してくる車両を見ると、それぞれの会社の経営者や担当者の顔まで浮かんでくるようだ。いつの間にか新車が入っていたりカラーリングが微妙に変わっていたり、これまでなかったナンバープレートがついているものも多く、<また営業所を新設したのか>と、あらためて各社の成長力に感心した。

だが、こみ上げてくる懐かしさは、1年前までの、楽天勤務時代への郷愁だけではない。むしろ、20年近く前の、京王の新宿高速バスターミナル(通称「西口」)でのバイト時代の思い出が浮かんでくるのだ。いやもちろん、ここには、さほど難しいとは思えない車庫入れに苦戦している乗務員がいたり、走り回っているセンディングのみんなも、茶髪もロン毛もいたりする。私が「西口」で着せてもらっていた、肩章付きのいかめしい制服(その色合いから、みんな親しみを込めて「チャバネゴキブリ」と呼んでいた)とは似ても似つかぬ、ラフなジャンパー姿である。プラザと「西口」とを一緒にするなと言う人もいるだろう。いや、バイト時代の私が今いたら、間違いなくそう怒ったことだろう。

一方、そのセンディング一人ひとりの真剣さは、充実感に裏付けされた目の輝きは、間違いなく当時の「西口」バイト連中と共通だ。今の「西口」をどうこう言う気はないが、全国の高速路線バス事業者を回っていて、特にターミナルのスタッフ達の「目が寝ている」のは、高速バスターミナルの一OBとして少し不満に感じていたところだ。

もっとも、背景を考えれば当然なのかもしれない。私のバイト時代はいわゆる「高速バスブーム」の最後の時期で、高速路線バス各社は新路線、増発改正のラッシュだったのだ。今思えば、昨日より今日の方が忙しい、今日より明日の方が忙しいという恵まれた環境に、私達はいた。その恵まれた環境は、今はこのプラザモータープールにある、ということだ。

たまにお邪魔する新宿のセンタービル前あたりもそうだ。全夜行便を出発させ終わった後のミーティングは真剣で、充実感が溢れている。「西口」近くの居酒屋「つぼ八」で当時のバイト連中が夜な夜な開いていた「ミーティング?」での議論を思い出す。今の私の原点は、間違いなくあの「つぼ八」でのミーティング?にある。もしかしたら20年後、プラザやセンタービル出身のコンサルタントが現われて、私の仕事を奪っていくかもしれない。

さて土曜はどう帰ろうかと迷いながらの出張中、今度はメールが届いた。<土曜は(個人的に)某高速路線のヒュンダイ車に乗りに行くけど一緒に行く?>。首都圏の別の路線バス事業者の高速バス担当者。あわてて金曜の宿泊を新大阪近くのホテルに変更し、土曜は6:47発の新幹線。まだ薄暗い中ホテルを出て新大阪駅まで歩いていると、新宿から到着した京王の夜行便が交差点を折れてきた。小雨に濡れた白い車体がキラリと光り、思わぬ出会いに、何とも言えぬ懐かしさともに、何かを訴えかけてきた。






Last updated  2012.01.22 11:25:15
コメント(0) | コメントを書く

PR

Profile


nalys

Category

Comments

京帝117@ ご参考まで この度 K電鉄バスの取締役安全技術部長に…
京帝117@ 残念でした 他にメッセージをお送りする方法を知らな…
成定竜一@ Re[1]:中央高速バス~ふたつの路線~(02/24) 京帝117さん、コメントありがとうございま…
京帝117@ Re:中央高速バス~この風は、山なみの遙かから~(03/02) 86年に私と、その後KKKに入社したH君の2…
京帝117@ Re:新宿高速バスターミナル(02/21) 私がカウンターに座っていた時は、空いて…

Favorite Blog

新米支配人の奮闘記 solitudineさん

Calendar

Archives

2019.10
2019.09

Keyword Search

▼キーワード検索

Rakuten Card

Free Space


Copyright (c) 1997-2019 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.