淡々堂

2008/04/02(水)22:23

中島らも『人体模型の夜』・井上雅彦監修『ひとにぎりの異形』

本(389)

中島らも著『人体模型の夜』という本を読み終えました。 1人の少年が「首屋敷」と呼ばれる薄気味悪い空き家に忍び込み、 地下室で見つけた人体模型の胸元に耳を押し当てて聞いた12のおそろしい物語を綴る という体裁を取っています。 その少年も最後はおそろしい終わり方をするのですが。 12の話は全て、目や胃など、人体のどこかに関わる内容です。 どの話もおもしろく、2日間の夜の読書タイムを十分楽しむことができました。 3話目の題目は「はなびえ」といいます。 「花冷え」とは、桜が咲く頃の寒さをいう、美しい言葉です。 ちょうど、今時分がそうでしょう。 しかし、この話の「はな」とは、当然人体の一部のそれです。 私が住む地域では今、桜が3分咲きです。 http://www.ramo-nakajima.com/ この本をあっという間に読んでしまったので、もういいかげんに 『ひとにぎりの異形』を読み切らないといけません。 これは《異形コレクション》シリーズ39巻目です。 《異形コレクション》とは、井上雅彦の監修するホラーアンソロジーです。 1巻ごとにテーマが違っていて、『ひとにぎりの異形』のテーマはショートショートです。 私は長編より短編が好きで、短編よりも短いショートショートも好きです。 ずっと読み続け来たこのシリーズでショートショート特集をすると知ってからは 発売日を非常に楽しみにしていました。 しかし、読み始めると退屈で、1冊が長く感じられて、しまいには読むのが苦痛になり、 色んな本に浮気をして、さっぱりページが進まないのが現状です。 といっても、頑張って読み進めて、残り100頁ほどになりましたので、あとちょっとです。 http://homepage1.nifty.com/kazume_n/freakout/ 中島らも『人体模型の夜』集英社文庫、1995年11月、税込500円 井上雅彦監修『ひとにぎりの異形』光文社文庫、2007年12月、939円

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