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淡々堂

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そう考えたところで、今回発見された手記の圧倒的な真摯さの意味がわかりました。二〇歳前の二年間の読書が、戦争に巻き込まれる間際の時期に集中した理由もわかりました。先が読めなくなった自分の人生を、どのように意味づけするか、まさに青春を生き抜くための心の支えをもとめる読書であったことがはっきりしました。これは、いま申し上げたとおり、頼りにすべき教養がまだ準備できていないための、まさに苦肉の読書だったのです。一発勝負の読書でした。この読書で得るものがなければ、死ということの意味すらわからずに死ぬことになるでしょう。それを回避するには、書物と真剣に向き合わねばならなかったのです。(p.11~12)

十三日
 吾を救ふものは道徳か、哲学か、芸術か、基督教か、仏教か、而してまよふた。道徳は死に対して強くなるまでは日月がかゝり、哲学は広すぎる。芸術は死に無関心である。而して基督教か仏教かゞ吾を救と思へり。仏教にせんと思ふ。(p.26)[昭和17年(1942)10月]

『戦争と読書 水木しげる出征前手記』水木しげる、荒俣宏、角川新書、2015年9月、864円(税込)


徴兵直前、20歳の水木しげるの手記と、荒俣宏による解説が載っています。
戦中の日本の出版事情についても言及されていて、興味深いです。

引用文は、1つ目が水木さんの弟子である荒俣さんの文章。
2つ目が水木さんの文章です。








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最終更新日  2016年04月23日 21時55分57秒
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