2010074 ランダム
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第10話 真の勇者

第10話 真の勇者

<本部内>
「初号機沈黙!パイロット意識有りません!!」

「生命維持を確認!」

「心音微弱!!」

次々に報告される情報を受けて、リツコがエヴァ回収の指示を出そうとしたその時、

「エントリープラグが強制排出されます!!」

「なんですって!?戦闘中なのよ!止めなさい!」

「停止信号、受け付けません!!」

モニターには、エヴァから排出された操縦席、エントリープラグのハッチが開き、使徒の目の前に、パイロットの少女が晒された光景が映し出されていた。

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<地上>

「やめなさい!シンジ君!自殺行為よ!!」

ミサトの叫びを無視してエヴァの身体を登っていくシンジ。
使徒がゆっくりとエヴァに近づいてくる。
何も出来ないもどかしさに歯がみしつつ、ミサトはカートレイン脇のインターホンに呼びかけた。

「赤木博士、葛城一尉から連絡が入っています。」

「こちらに回して。」

オペレーターから連絡を受けたリツコは、もどかしそうに答えた。

「もしもし、リツコ!今、シンジ君が!!」

「分かっているわ。ここからも見えているのよ。」

「分かってたら、どうして手を打たないの?!」

「この状況で、どういう手が打てるというの?
下手に攻撃すれば味方に当たるだけよ。
そもそも、この状況で下手に刺激して、使徒が暴れ始めたら困るでしょ?」

「かと言って、このまま放っておけないわ!!」

「とにかく、あなたは本部内に避難しなさい。
そのままそこにいても邪魔なだけだわ。民間人の子供もいることだし。」

「でも!!」

「今はあの子に任せるしかないわ。」

シンジが、エヴァの頭部、エントリープラグにたどり着こうとした時、接近した使徒の腕が、振り下ろされようとしていた。

続く


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