2009685 ランダム
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第1話 襲来編

第1話 襲来編

これは未来から来た、猫型ロボットが、イジメられっ子の主人公を助けるお話。

有るところに、グズでのろまな亀のような小学生がいました。
彼の名は、なま太君。
囲碁とパン作りが趣味の、少し変わった小学生でした。
・・・・・・、ちょっとキモイね。

彼は、運動神経が鈍いので、いつも友達から苛められていました。
苛めてるヤツは誰かというと、ジャイアンです!

「おう、おう、なま太、今日のパンはまた、くそ不味いやんけ!こんなモン売りもんにならへんわ!踊るで東!!」

「ど、ドラゴンさん、ぼくの作ったパンを勝手に売らないでよ~。」

「なにぃ、なま太のくせに生意気だぞ!!」

ジャイアンと一緒になってなま太を苛めているのは、スネ夫です。

「ぼ、某俺様!この間、一緒に飲みに行ったのに~、酷いよ!」

「なに、言うてんねん!わしはジャイアンやろ!そのままやんけ!」

「誰が、某俺様や!僕たちは小学生なんだぞ!飲みに行くわけ無いだろ!!」

「ひ~、ごめんなさい!!」

こうして、なま太は、今日も苛められて家に帰って行きました。

「どうして、ボクは苛められるんだろう・・・?」

「それは、お前がドジで、のろまで、不味いパンばっかり作ってるからや!」

「え?誰??」

なま太が部屋の中を見回していると、机の引き出しが開き、中からイカツイオッサンが現れました。

「ジャイアン!?どうして机の引き出しから???」

「ちゃうちゃう!ワシは、ドラゴえもんや!!一人二役や!!突っ込むなよ!!!」

「ドラゴえもん?ひょっとして、ドラゴニアさんとか?」

「ちゃうな、こんな主役やるチャンスを人に譲る訳無いやろ。」

「主役ってボクじゃないの?」

「お前は、ただのやられ役や!」

(なんなんだ?このオッサンは!これじゃまるで、ジャイアンが二人いるみたいじゃないか!こんなのいらないよ!!」

「ちょっと、自分、声出してるで。」

「ええ?!しまった、つい本音が!!」

「ええ度胸してるやんけ!」

「ちょ、ちょっと待ってよ!君は一体なにをしに来たのさ?」

「お前をシバキに来たんじゃーーー!!!!!!!」

「ひでぶ!!!!」





「はっ!しまった!助ける筈の、なま太をシバイてもうた!」

おそるおそる、なま太を見るドラゴえもん。
そこには、ズタボロになったなま太が・・・。

「な~んだ、ボクを助けに来てくれたんだ!」

既に、復活していた。

「ちょっと、待て!なんで生きてんねん!?」

「そんなことはどうでも良いんだよ。君はボクを助けに来てくれたんでしょ?じゃあ、早速ジャイアンをやっつけてよ。」

「はあ?なんでワシが小学生相手に喧嘩せにゃならんのや?」

「行け!ロボ!!ジャイアンを倒すんだ!!」

「マ゛!!」

「・・・・・、ちょお待て!誰がロボや!」

「だって、未来から来た猫型ロボットなんでしょ?」

「そんなことは、一言も言うてへんでえ。」

「この日記の一行目に書いてあるけど?」

「そんなモンは関係ない!ワシはワシのやりたいことしかせん!!」

「じゃあ、なにしてくれるの?便利な道具とか出してくるの?」

「おお、道具やったらいっぱいあんでえ。」

「どこでもドアが良いな。これを使えば、大阪の辺境からでもいっきに職場に行けるし!これでもう、遠距離通勤からおさらばだ!!」

「ちょお待て!自分、小学生やろ?なにが遠距離通勤や!」

「じゃあ、タケコプター出してよ。一度空を飛んでみたかったんだ!」

「どこでもドアもタケコプターも無い!!!」

「じゃあ、なにがあるの?」

「これや!!」

ドラゴえもんがポケットから出したのは・・・・・・、パワーリスト、パワーアンクル、ダンベル、等のウェイトトレーニング用品だった。

「ちょっと待て!これで一体なにをしろと?」

「決まってるやろ!鍛えるんや!大体、移動するのに機械に頼る根性が間違っとる!男やったら自前の足をつかわんかい!」

「じゃあ、ボクは見学ということで。」

「お前がやるんやーーーー!!!!!」

「ひぃぃぃーーーー!こんな重い物付けたら動けないよ~。」

「こんな時のための秘密道具!出ろ、ラモ!!」

「か、カプセル怪獣??」

「ガウ、ワウ!」

「ラモ、ええか?こいつを地の果てまで追いかけるんや!追いついたら日頃の恨みを晴らして噛みまくるんや!!」

「ちょ、ちょっと!ラモとボクは、信頼という絆で堅く結ばれているから・・、」

「行け、ラモ!!!」

「ガルルルルルルル!!!!!!!」

「うぎゃーーー!!!!!」

ラモに追いかけられて、高速でダッシュして逃げるなま太を見送り、ドラゴえもんは、一息ついた。

「これにて任務完了っと。」

絶対、違うぞ!!!!

「あら、なまちゃん、なにおもしぃ事してるの?ラモとおいかけっこ?」

「あ!椎ずかちゃん!これは遊びじゃなくて、っちゅうか、助けてくれーーーーーーー!!!」

この日以来、なま太の姿を見た者は誰もいない・・・、のか?

続きません


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