なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

2020/03/08(日)19:32

700系ラストラン

鉄道イベント(12)

(新横浜駅に到着の700系。画像はJR東海のホームページより) 皆様もメディアで既に知られていると思います。今日走る予定だった東海道新幹線最後の700系のぞみ、運休になってしまいました。実は管理人も先月、そのラストランを狙っていたのですが実際は僅か8秒で売り切れになってしまったのです(新聞では34秒で売り切れと報道されています。)。無理だろうかなと思っていた矢先にJR東海のツイッターを見たら、団体専用のツアーに若干ながら空席が出ていたとのことで、久々に思い切りました。そこで即決を断行したのが3月1日のツアーになります。 700系は管理人にとって、新幹線で一番よく乗った車両でもありました。1999年のデビューから結構な頻度でお世話になったのが700系。大学の合宿から就職活動、大学院進学、渡英、帰国、社会人時代、そして教員と20年の長きにわたって自身の節目・ライフステージで関わってきたので、引退はあっという間だったと感じるとともに、もう20年も過ぎてしまったのかと思うと時代の流れの速さが脳裏をよぎります。 先週、そのファイナルツアーに参加し、700系最後のフル編成をしっかりと堪能してきました。歴史の証人の一人として乗ってきた乗車記です。 3月1日のツアーは新大阪始発になります。当日はのぞみ308号のスジで運行。発車は8時23分ですが、団体専用列車の扱いとなるため、通常の表示とは異なっています。 側面の700系のロゴです。このロゴもいよいよ最後となります(JR西日本のレールスターには貼り付けられていません。)。 引退のカウントダウンとして先頭車と一部の号車に貼り付けられたラストランのロゴです。ファンや乗客がいっぱい撮影をしていました。 方向幕は団体になっていました。一般客の誤乗防止でもありますが、当日はJR東海の本社の社員が入口に多く待機していました。 当日乗った9号車グリーン車の車内です。申し込んだときの空席はグリーン車しか空いておらず、思わぬ出費になってしまいましたが、鉄道博物館が臨時休館となったことで後日払い戻しを受けることが出来ました。新大阪を出発したときは1割くらいしか席は埋まっていなかったのですが、京都、名古屋と途中駅で乗客を小まめにピックアップし、最終的な乗車率は80%くらいまで埋まりました。 グリーン車のリクライニングをフルにした状態です。昔も今も、シートは豪華です。改めて思うのですが、新幹線の室内のグレードは普通車も含めて欧米のインターシティや国際列車よりもシートピッチが広く座り心地も上々なので、これに関しては軍配が上がります。ただ、ユーロスターやドイツのICE、スペインのAVEなどはファーストクラスに食事が無料でつくので、ケータリングといったソフト面のサービスは再考の余地があると考えさせられます。確かに駅弁やKIOSKなどの駅売りが充実しているのが日本の鉄道の特徴なのですが、温かい食事を車内で食べることが出来るのはやはり鉄道の醍醐味であるので、グランクラスや観光列車、クルーズトレインでの食事の改善が進む昨今、新幹線でも原点回帰になってほしいなあと願うばかりです。車販準備室にライススチーマーなどを設置するなど、その気になれば、グリーン車やグランクラスで懐石料理を提供することも可能だと思います(エアラインの場合の実例として、シンガポール航空では日本線のファーストクラスやビジネスクラスで京都菊乃井の懐石料理を提供しています。)。 そして、乗り込んで程なく、事実上のファイナルランがスタートします。新大阪は定刻の8時23分に出発。出発後、JR東海ツアーズの担当の添乗員さんから挨拶がありました。当日のスケジュール変更と、復路の東京からの列車の説明、集合方法など丁寧に説明をしてくれました。あまり関われなかったのですが、この日は本当にお世話になりました。 車内はいつもの自動放送でのアナウンスではなく、のぞみデビュー当初のチャイムが復刻で流されるなど、担当の車掌長さんの肉声での放送が中心でした。通常であれば、新幹線のチャイムは東海車がAMBITIOUS JAPAN!!、西日本車がいい日旅立ちになるのですが、この日は流れませんでした。 車内販売はワゴンによるものはコロナ禍の影響で中止となり、4両おきの車販準備室で品物を広げて売り出されました。ほとんどは駅で買えるものが重複して売り出されていたので、敢えて買いに行くということはあまり食指が伸びなかったのですが、方向幕とレプリカのサボは米原付近でほとんどが売り切れになっていました。これを知った名古屋からの乗客からはクレームが。商品の個数を確保するだけでなく、販売する区間についても再考が欲しかったですね。 新幹線は名古屋を出発後、朝食の弁当が配られました。車内販売でもお馴染みの朝のおむすび弁当です。モーニングセットとしてお茶とセットで500円で売られている定番の商品なのですが、この日は700系の特製掛け紙がついたものになっていました。 掛け紙をゆっくり破らないようにはがしてから少し遅めの朝食です。昼までのインターバルが短いこともあり、少な目のお弁当は丁度よい量でした。 朝食を食べた後がこの列車のメインイベントとなります。掛川を通過後、グリーン車を担当している車掌さんから記念品のプレゼントがありました。 写真には先ほどの弁当の掛け紙が写っていますが、記念品はありがとう700系の絵葉書と硬券の記念乗車証、そして700系の車体をリサイクルした純アルミ製のメダルの3つでした。これに加えてランダムにメダルの裏側に当たりが入っていたら、700系の方向幕を1枚頂けるダブルチャンスもあったのですが、これはハズレでした。アルミ製のメダルは一般販売分を含めても約6000枚(内訳は抽選で販売する2枚セットが1000組の2000枚と、ファイナルツアーと3月8日のラストラン配布分が関係者配布分を含めて4000枚と推測)ほどしか生産をされていない貴重なもので、新幹線の歴史を物語る重要な形見を頂くことが出来ました。メダルの裏側にはシリアルナンバーも入っています。 静岡を通過したら関東圏はあっという間。新横浜、品川と停車し終点の東京には10時56分に到着。一番端の14番ホームに停車をしました。小田原を通過後、車掌長さんの御礼の挨拶が止まることがありませんでした。乗務をする現業の職員さんにとっても、700系は進化した汎用車としてスピードアップに大きな貢献をしたのは紛れもない事実だったと思います。 700系は東海道新幹線からは引退をしましたが、山陽新幹線ではレールスターなどまだまだ乗ることが可能です。JR西日本の16両編成は、しばらくは波動用として残るそうなので、N700Sが本格的に量産を開始する数年以内の間に乗っておくことを推奨します。引退した車両も名古屋のリニア・鉄道館で見ることが出来ますよ。 「AMBITIOUS JAPAN!! のぞみはかなう。」自身も大学院を無事修了したことが「のぞみはかなう」になったと思います。改めて、お世話になりました。Cheerio!!

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