なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

2022/02/23(水)15:01

きこりめし(日田駅)

駅弁(91)

​久々の満塁ホームラン級の弁当が今日取り上げる日田のきこりめしです。 きこりめしは厳密には駅弁ではなく、日田駅前の食堂が手掛けるお弁当で、JR九州の窓口でオプションとして駅弁引換券を購入すれば入手が可能なため、駅弁のカテゴリーに入れています。 お弁当は日田駅のすぐ近くにある寶屋さんで作られています。駅を出たらお店が見える便利な場所です。掛け紙はシンプルな橙色一色で、切り株や製材所の様子などがデザインされています。また、日田の観光案内として「木都日田案内」が添付されている他、「いま、森を見よ。」の新聞記事を使った包装に箸と後述するのこぎりが入っています。 中身は林業の町である日田を前面に押し出したもので、正しくきこりの昼飯です。おかずや付け合わせは以下の通りです。 ・麦飯(うれしいボリュームたっぷりの量です。) ・大根漬け ・高菜 ・梅干し ・人参 ・蒟蒻 ・椎茸 ・煮卵 ・栗の甘露煮 ・鶏の照り煮(大きめのサイズが2個ドーンと乗っています。) ・ごぼうの素揚げ 一品一品はそれぞれシンプルな構成ですが、半端ないこだわりが詰まっています。ポイントの一つになっているのが器です。容器は日田杉の間伐材や端材を利用したもので、蓋や容器の紐にはシュロの縄を使って止められています。食べた後はそのまま捨てても土に還るようになっているので、環境保全の観点からも自然に優しいお弁当なのです。 おかずは麦飯に合う塩梅に仕上げられているので、薄くも濃くもなく丁度良い加減に調製をされています。梅干しと漬物だけでもとにかくご飯が進む進む(^~^)。味玉と鶏の照り煮はサイズが大きく、食べ応えもしっかりとあります。味玉は茹で時間にもこだわりがあり、6分15秒茹でているそうです。蛋白質のおかずでさらにご飯が入ります(^~^)。 そして一番のセールスポイントはごぼうの素揚げ。丸太に見立てたごぼうですが、炭酸で煮て柔らかくした後に醤油などで下味をつけてから素揚げをしています。炭酸で煮ているのでアクが抜けてごぼう本来の味が楽しめます。泥臭さがないので、根菜類の苦手な子どもたちも一度はチャレンジをしてほしいと思います。 極めつきは、このごぼうを本物のきこりさながらにのこぎりで切って食すところで、体験型弁当としても知られるようになってきました。のこぎりの入っているお弁当は、国内でもここだけなのです。のこぎりも日田杉の間伐材を活用して作られているので、容器と合わせて杉のよい香りが漂います。香りのよさを体感すると、器ものこぎりも捨てるのがもったいないくらいなのですが、のこぎりについては洗って2~3回ほどは使えるので、カステラを切り分けるなどちょっとした体験型のおもてなしとしても流用ができます(さすがに弁当の容器は強度的に残念ながら使い捨てですが・・・)。 最後にまとめです。 具だくさんのおかずと麦飯の素朴な味わいは、あっさりとして食べやすく、素材の持ち味をしっかりと活かした味付けに仕立てられているので本当に美味しく味わうことができた一品でした。一言、絶品です。 ​(^~^)​ この弁当は、日田市外で買えるチャンスは非常に稀ですので、現地だからこそ味わえる貴重なものですから、今度は姉妹品のかっぱめしも買えたらいいなと感じました。ビールや麦焼酎、日田焼きそば、古くからの街並みも魅力なのですが、最近は進撃の巨人(作者の諫山創さんは日田林工の出身)の舞台としても有名な場所になりましたので、人吉と並んでまた行ってみたい町になりました。ふたつ星の次のD&S列車は、「進撃の巨人(Attack on Titan)」にしたら日田は盛り上がると思うんですけどねえ~~。 寶屋 〒877-0013 大分県日田市元町13-1 Tel:0973-24-4366 営業時間:11:00~15:00 / 17:00~21:30(21時ラストオーダー) 定休日:不定休 ※弁当は前日の17時までの予約が必要です。 ※価格はお店で購入すると980円ですが、日田市外での購入は輸送費やパンフレットの値段が加算されますので1180円になります。 HP:​https://takarayahita.com/bento​

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