なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

2022/09/29(木)20:55

国鉄型車両の動向(2022年9月版)

定期列車(55)

5か月ぶりの国鉄車の動向です。年に2~3回の不定期掲載の項目ですが、多くの皆様からのアクセスを頂いていますので、久しぶりに車両の今後について記していきたいと思います。9月版は廃車のあった車両、今後廃車が見込まれる車両について述べて参ります。 ※9月29日にアップデートを行いました。 1,113系 ここ数年廃車がなかったBIG3形式の一角ですが、225系の新製や223系の日根野からの転属によって置き換えの可能性が出てきました。手始めに一部の車両が上記の車両と入れ替わりで廃車が見込まれる他、岡山の車両についても227系の投入が控えており、経年車についてはリストラの候補に挙がってくるでしょう。内装を変えていないボックスシート車については、早めに乗っておいた方が得策です。 2,115系 岡山に投入予定の227系101両の置き換え対象の大部分に相当するのが115系です。2両から3両と小回りの利く編成が多く、全部を置き換えるのには時間がかかりますが、227系の追加増備になれば、入れ替わりのスピードは早くなっていくものと思われます。 3,117系 団体用の編成や岡山に残っている一部の車両の廃車が進行していて、両数を大きく減らしています。現在はウエストエクスプレス銀河や静態保存用の車両を含めても50両ほどしか残っておらず、113系や115系よりも乗れる機会が少なくなってきました。旧流電の流れを組む名車も、徐々に活躍の場が狭まってきています。 4,185系 117系と同じように廃車推進中の特急車で、残るは6編成40両のみになってしまいました。残った編成についても、現在は不定期列車としての運行は新幹線リレー号など、復刻運転などに限られている状況です。また、復刻塗装も行われて最後の活躍をしており、現在残る国鉄車(電車)15形式の中でも一番先に形式消滅になるかと思われます。 5,211系 東海地区の315系の投入開始に伴い、静岡と神領にいる車両から廃車が始まりました。315系は今後4年間で全ての211系、213系、311系を置き換える計画なので、JR東海から本当の国鉄車が姿を消すことになります。JR東日本の車両については、高崎の余剰車が廃車になっていますが、東北地区の線路復旧を優先させることになれば、長野と上毛地区ではしばらくは見られそうです。 6,213系 211系と同じく315系による置き換えの対象になっていますが、JR東海の213系は飯田線で主に運用されているので、廃車になる場合は313系での玉突き配置となりそうです。岡山にいる28両は内装工事を済ませているので、もうしばらくは使われることになります。 7,381系 273系での置き換えが公式に発表された今、あと2年のうちに乗っておくべき車両です。最後の国鉄特急車となりますので、再来年のさよなら運転の際には、相当な混雑が予想されます。記録や記憶は今のうちに残しておきましょう。1編成は国鉄塗装に復刻されて特定のやくもに使われており、ファイナルカウントダウンに入ったといっても過言ではありません。管理人は年末に乗りに行く予定にしています。 8,415系 今月の西九州新幹線開業によって、車両転配に大きな変化が出た形式です。 今回のダイヤ改正では、長崎、熊本、鹿児島地区でワンマン運転が実施されます。これに伴い、4両固定編成ではワンマン運転に適さないこの車両が鋼製車中心にリストラとなりました。 ワンマン運転は主に817系の転属で賄われる他、既存の車両もワンマン化が拡大されることになります。国鉄本来の色を残している車両が予想よりも早く引退することは、減量ダイヤによる老朽車の一掃をJR九州が図ったからだと考えてよいでしょう。ただ、56両残っている1500番台については当分は残ります。これを廃車にしてしまうと、本州~九州間の鉄道でのアクセスがなくなってしまうので、少なくとも近年中の全廃はあり得ません。 ダイヤ改正後の下関~門司~小倉間の関門トンネル運用については、この1500番台が専用車として使われることになり、置き換えの交直流電車の新製計画もないことから、しばらくは安泰ではないかと思われます。 9.713系 変化の見込みが薄いと見られていた形式でしたが、415系と同じく西九州新幹線の開業余波により、リストラされた編成が出てきました。その理由として考えられるのは、 1,817系の転属で車両が賄えること 2,1983年製と車体は比較的新しいが、サイリスタ位相制御のため機器類の更新が部品の製造終了から難しいこと 3,ランニングコストとメンテナンスコストの削減 等が挙げられます。アコモ改良後は、近郊形ながら485系の廃車発生品を再利用したリクライニングシートが使われていて、宮崎空港のアクセス列車に主に使われるなど、数少ない乗り得列車でもありました。管理人も昨年の人吉取材で、宮崎空港に向かうときに使うことができましたが、短時間乗車では物足りないくらい豪華な電車でしたので、仮に廃車となる場合、少し勿体ないなあと感じます。運用を離脱したのは2編成4両で、これで残りは僅か4両となります。しかも日中の運用は1運用しかないため、非常に乗る機会が限られる形式となりました。これにより、早期の引退も現実味を帯びそうです。 宮崎・鹿児島地区では、この他にも電化区間でのディーゼル車運用が縮小されており、国鉄車に乗れる回数は少なくなる見込みです。 まとめ 2022年度は、国鉄車の置き換え対象となる新製車は315系の大量投入以外、小幅な増備になる予定のため、減少数については昨年度よりも小さくなるかと思われましたが、九州での国鉄車の大幅な削減に伴い、相当数が今年度も入れ替わる結果となるかもしれません。しかしながら315系の継続投入、227系と273系の岡山への配置を含め、減少数については来年度、再来年度の方が大きくなりそうです。

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