なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

2023/02/02(木)20:57

グランクラス#2

定期列車(55)

グランクラス2回目は車内サービス編です。グランクラスのキモはこの車内で楽しめるおもてなしにあります。近年、サービス低下などが指摘されているところですが、先ずはフルサービスの近況をここでお伝えします。 管理人は復路のはやぶさで仙台から東京まで利用しました。仙台を出発後、アテンダントさんが初めにウェルカムセットを持ってきてくれます。ウェルカムセットはグランクラスのロゴ入りミニトートに入っていて、中身はおしぼりとミネラルウォーター、軽いおつまみの「しおちょこ」の3つです。しおちょこは、昔ながらの「揚げ浜式製塩法」で作られた能登の天日塩を使ったもので、北陸新幹線の沿線のものが使われています。まろやかなお塩がチョコの味を引き立てるなかなかのこだわり品でした。 ウェルカムセットは、上記の3つに加えてメニュー表も別に加わります。後述するリフレッシュメントの説明もここに書いてあります。ミニトートは持ち帰りが可能です。簡便な鉄道グッズを入れる袋にも重宝しますね。 車内のアメニティとしてスリッパが備え付けられており、これは持ち帰りが可能です。また、JR東日本の新幹線や特急の車内に入ってる車内誌「トランヴェール」も無料です。アメニティはこれ以外にも、靴ベラの持ち帰りが出来るようになっていて、アテンダントさんに頼めばもらえます。ブランケットも借りられますが、こちらは東海道・山陽新幹線と同様、持ち帰りは出来ません。 勿論、リフレッシュメントも頂いてきました。牛たんを食べてきたばかりですが、和食を選択。和食は黒のしっかりとした箱に入ってサーブされます。 和食の中身はこちら。料理は広尾の日本料理のお店「分とく山(わけとくやま)」の野崎洋光総料理長の監修によるミニ懐石です。料理は6品と少ないですが、晩を食べた後の量としては丁度良いものでした。ただ、午前便や午後便になると、これだけではお腹はちょっと物足りないですね。冬シーズンのミニ懐石のお品書きです。 【お品書き】 1 たらこの子宝船 パプリカ グリンピース 2 黄身寄せ真丈紫芋きんとん 紅鮭昆布巻き生姜のべっ甲煮 3 穴子八幡巻き 子持ち昆布柚子重ね押し  4 煮物 蟹入り信田巻き 筍 里芋 人参 印元 ※洋食についても、参考としてメニューを挙げておきます。洋食は虎ノ門にあるDEAN & DELUCA Social Kitchenの森枝幹シェフが監修したものです。 【洋食のお品書き】 1 レンコンバーグ トマト エスペレット チョリソー 2 北海道産ホタテのムース ローズマリー風味 3 豚肉と北海道産手芒豆のスパイス煮込み 4 柚子香るホワイトチョコのガナッシュ&ケイク 今回のグランクラスのリフレッシュメントは、食品ロスを減らす目的から、一度作って冷凍をした料理になります。どちらかと言えば、航空機の機内食に近い形態になったと言ってもよいでしょう。2011年に登場した当初は、和軽食、洋軽食と駅弁をミニサイズ化したものが出されていましたが、内容が年々、簡略化され、今の形にサービスが変更となりました。実は、ここがグランクラスのサービス低下と言われて賛否両論が出ているところで、生食が冷食に変わったこと、一部の飲み物の入れ替えや提供終了、はくたかでのフルサービス終了など、簡略化の指摘は一理あると思います。自身の意見や提案については次の回に述べますのでここでは軽くにしておきますが、お客さんは温かい食事を求めている人が多いのです。ここはサービスの核心部分なのですから。 アルコールについては、ワインやビール、ウイスキーは概ねほぼそのまま残されていますが、シードルの提供が終了となりました。期待していたのですが、これは残念です(><)。あんまりアルコールを飲むことに気乗りしなかったので、黒ウーロン茶やりんごジュースなど、ソフトドリンクを選ぶことが多かったです。 リフレッシュメントの後は、アテンダントさんを呼んでおやつとハーブティーを持ってきてもらいました。おやつはパウンドケーキで甘さ控えめで結構な味でした。ハーブティーについては、当初は茶葉を濾すタイプのものが提供されていましたが、あらかじめ淹れていたものを温めて持ってきてくれます。ただ、茶葉のままの方が乗客自身で濃度を調整できるので、これはそのまま残してもらいたかったですね。 2011年の登場から12年、グランクラスはフルサービスであれば食事や飲み物の入ったおもてなしを受けられることに変わりはありません。しかし、その質については、エアラインのサービスを参考に見直す必要があると感じました。JALやANAのみならず、外資系のエアラインは日系の会社よりもはるかに上をいくサービスを提供しているところもあります。特に中東系のエミレーツやカタール航空、エティハド航空などは、エコノミークラスでもアメニティを提供したり豪華な食事を提供したりするなど、サービス水準は鉄道でもヒントにする必要があるくらいのレベルなのです。 より突っ込んだ考察については、次回で書きたいと思います。もっともっとメリットを生かす方法はいくらでもあるのですから。

続きを読む

このブログでよく読まれている記事

もっと見る

総合記事ランキング

もっと見る