なめこ先生の我ら食べ鉄道中記

2024/08/15(木)21:16

ロマンスカーミュージアム#2

博物館(4)

引き続き小田急のミュージアムをお楽しみください。保存車両はまだまだあります。 SE、NSE、LSE(Luxury Super Express)の3編成が展示されている奥には、HiSE(High Super Express)こと10000形があります。先頭車のみですが、この車両は入って実際に座席にも座ることができます。 展望車からの視点。先頭車両は今も人気で、指定券はここから埋まっていきます。 HiSEのシートは平成初期の製造ですが、リクライニングはしません。その代わりにある程度背もたれを傾斜して調整されているので、1時間程度の乗車であれば問題なく過ごせます。HiSEはバリアフリーに対応できないことから後述するRSE(Resort Super Express)20000形と近い時期に引退しました。ただ、車両が比較的新しいので、一部の編成は長野電鉄に譲渡され、現在も特急として活躍中です。 HiSEに使われていたアルストームリンク台車。長年、小田急の標準台車としてお馴染みのものです。元々の設計が昭和中期~後期のものですので、部品点数も多く、結構機構的に複雑な台車です。 HiSEの近くにはあさぎりで使われていたRSEがあります。先頭車とダブルデッカー1両が保存されていて、こちらも先頭車は中に入れます。この車両もバリアフリーの対応が難しく、2013年に惜しまれつつ小田急線内からは撤退をしましたが、富士急に1編成が譲渡され、フジサン特急として今でも現役で稼働しています。同じくあさぎりに投入されたJRの371系も、富士急に移ってからはこちらは富士山ビュー特急に改造されました。 RSEは全車がハイデッカー構造で、あさぎりの特急化に伴ってJRの371系と同時にデビューしました。運転区間も御殿場から沼津まで延長されましたが、乗客の減少に伴い、現在は御殿場まで再度短縮されています。RSEは2編成が製造され、1編成があさぎりに、他の1編成ははこねやあしがらなどの特急に使われました。また、371系が検査のときには残りの編成があさぎりの運用に入るようになっていました。残念ながらホームライナー沼津や静岡などに充当される(代走はふじかわなどで使われる373系)ことはなく、沼津以西にこの車両が入ることは臨時列車で富士宮まで入った1回きりだったそうです。私鉄車や地下鉄車のJR乗り入れは、結構縛りが多いんですよね。 運転台はLSEと共通仕様になっていて、ワンハンドルマスコンが採用されています。JR線内に入ることから、JRの保安装置も取り付けられています。 普通車は1000mmピッチでリクライニングシートが並びます。座ることができますが、リクライニング機構はロックされています。 こちらはスーパーシートの座席。あさぎり運用時はグリーン車扱いになっていました。登場当初はシートオーディオのサービスがあり、他のロマンスカーよりも豪華仕様です。 RSEは7両編成で、中間の2両はダブルデッカー。階下席の一部はセミコンパートメントの4人掛けシートになっています。先ほどのスーパーシートが2階席で、通り抜けは上から抜ける構造です。 個室はやや狭いですが、ふかふかのソファーシートが設置されていました。 勿論、代名詞の走る喫茶室もあります。喫茶スペースには冷蔵庫や調理用レンジ、コーヒーマシン、給湯器などが完備。カフェテリアとしての機能も十分でした。 そして昨年度に完全引退をした50000形VSE(Vault Super Express)の引退告知が。VSEは2005年の製造とまだ20年にも満たない車両だったのですが、車体がアルミのダブルスキン構造であること、車体傾斜装置付きの連接車で改造や更新が特殊過ぎて困難だったことから、早々の引退となってしまいました。連接車は路面電車を除いてこの車両以降は製造されておらず、全てボギー車に統一されました。おそらくはミュージアムに入ることになると思われます。 保存車の両数に関しては3大鉄道博物館よりも勿論少ないですが、ロマンスカーに特化しているため、内容は分厚く結構時間をかけて過ごせます。ここまでは嘗て走っていたロマンスカーについて見ていきました。次回はそれ以外の施設の方をピックアップしていきます。

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