2007/04/09(月)13:23
電線の空
最近、車で足を延ばせる範囲に大型ショッピングモールが幾つか出来た。
色々な施設の複合型の大規模な店で、どこも綺麗で広々としていて気持ち良い。
何が気持ち良いのか、ふと気がついた。
どこも電線が無いのだ。
地下に埋め込むのが最近の主流なのだろう。
ショッピングモールのお店の窓からも駐車場からも広々とした空が見渡せる。
電線が無い景色がこんなに気持ち良いものだったとは、知らなかった。
そういえば、最近の電線の氾濫はひどい。
毎日のようにどこかで工事して太い何だかわからないケーブルがやたらに引かれている。
電線、電柱が景観を壊すという意見は昔からあったが、子供の頃から見慣れているせいか、気にした事はなかった。
風景画を描く時、むしろある程度の電線や、電柱を描く方が臨場感やリアリティ、生活感が漂うと思ってさえいた。
なのに最近は風景画を描く時、特に街中の風景では、縦横無尽に駆け巡る電線が邪魔で仕方無いと感じるようになった。
一体何時頃からの変化だろう。
こうして便利にネットの恩恵にも預かっている。
このネットを繋いでいるのも空に蜘蛛の巣のように広がる電線の一本なのだ。
電線の空に文句ばかりは言えまい。
ああ、だけど、ちょっと心配になる。
このままどこまでこの蜘蛛の巣は増え続けるのだろう。
利便性の追求だけで良いのだろうか。
なんだか、電線も通っていない山奥に引きこもりたくなって来た。
やっぱり私は変人なのかもしれない。