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なみだを超えた先に広がる本当の豊かさ

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人間物語・とね しゅんじ

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2019.09.21
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カテゴリ:いのち の 智慧
◇人間物語のメール講座NO17◇





50錠も飲んだから 堪らない
彼は ものの1分も立たないうちに
頭はもうろうとして ベッドに倒れ込んだ
遺書を書き残すつもりでいたらしいのだが 
それすら 書けずに 彼は眠り込んでしまった。

その夜 50錠もの薬を 彼の身体は受け付けず
彼の眠っている間じゅう 彼の身体は必死で戦い続けた。

身体の各所に 危険信号が発せられ
彼の身体は 彼が眠っているのにもかかわらず
彼の意思など無しに
「身体」それ自体で身体を助けようと一生懸命だった
彼の身体は 彼自身は眠りながらの状態で
朝方まで 何度となく 薬を体外へと吐き出し続けていた。

そして早朝 父親は 昨夜から 
苦しそうに何度も吐き続けていた彼を
病院へ連れて行こうとして驚いた。

彼の顔は 土気色をしていて眠り続けたまま
声を掛けても 揺すっても 返事が無い
ベッドの上の睡眠薬の空き瓶を発見して 
初めて 事の重大性に気づき
あわてて 近くの病院に運んだ。



ところが その病院では応急処置しか出来ず
直ぐに救急車で大病院へ
しかし その車中では 患者の様態の確認の為
瞳孔反射ということをするのだが
(目にペンシルライトで光をあてる)
瞳孔が開いたままで
殆ど反射が起こらない状態であった彼を見て
救急隊員が「もう駄目かも知れない・・・」などと
言っているのを聞いて 
父親は生きた心地もしなかったらしい。

病院に着いた彼は すぐさま 胃洗浄を受け
胃の中の物を すっかり外へと 吐き出さされた。
後30分の命だった・・・。

身体へ回った薬の為に 彼は丸2日間 眠り続けた

彼の意識が戻った時 
真っ先に目に入った天井の違いに気づき
始めて助けられた事を知った。

そして 彼のベッドの周りには 父や兄弟の
心配そうに見つめる姿が有った。

彼は父親に殴られると思っていた。
なぜなら それまで彼が悪い事をした時には
必ず父の鉄拳が飛んで来たからだ。
だから 彼は覚悟をしていた。

ところが父親は そうはしなかった
それどころか 目にいっぱいの涙を浮かべ

「 お前が こんな事で死んでしまったら 
俺はどうやって お前の お母ちゃんに
詫びたら良いのか 解からない・・・ 」

と そこには 彼が これまで見たことのない
必死で我が子の命を 祈り続けた父の姿が有ったのだ。

この父の姿は 効いた・・・・。
彼には殴られる以上の効果が有った。

この父の姿を見て 父の言葉を聴いた 
ただ それだけで 
自分の事しか考えて居なかった自分に
気づかざるを得なかった程
この時の父の姿と言葉は 彼には効いた。


翌日 病院を退院し
家路に着く彼の見た外の景色は
実に素晴らしかった。

5月の中旬で その季節の
風が彼の頬を撫ぜて
緑の新鮮な匂いや
新緑の若芽達の息吹が感じられる
それらと共に 彼は自分が生きている事を
初めて感じ取れた。

「 若芽の 黄緑色の 若葉が目に沁みる 
空が真っ青だ 生きていて 本当に良かった・・・ 」

彼女が居ないのに 彼1人なのに それが感じられる
彼は その道々 色々な事を感じ取っていた。

「 自殺というのは逃げ以外の何物でも無いんだ 
自己逃避だったんだ 僕は もう二度と逃げないぞ。
どんなに苦しくても絶対に逃げない! 」

そう・・・彼は 自らの体験で完璧に理解した。
それは 命を賭けた理解だった。



彼は この日以来 完全に別人になってしまった。
死の淵まで行って 引き返して来た彼は
まったくの 別人になってしまった。

それからの 彼の生き方は ガラリと変わった。
それまでは何をやるにしても 
余り努力と言う事を しなかった彼が
その日を境に
全てに努力をするような生き方に変化した。

そして努力をすればするほど
成果が上がってくる
彼は面白くて仕方が無かった。

自分が こうしたいと思った事に対して
100パーセントの努力をすると
必ずと言っていいほど
彼の思い通りに成っていった。
彼は もう有頂天だった。

だって そうだろう
あの 辛いことだらけの 
幼い頃からの 彼の人生が
彼女を失った 失意のどん底から
立ち上がった日を境に
一変してしまったからだ。

私は それが 何故かを知っている。
彼には まだ この時点では
気づけていない事が有る。
それは 彼が幼い頃から 背負って来た 重い 重い荷物を
彼は 彼女に出会うことで 全て降ろせた。
この荷物を 降ろさなければ
そこに愛は芽生えなかった。

彼は荷物を降ろした。
要するに それまで着ていた殻から抜け出た。
荷物とは 本当は この殻の事だった。


そして愛が起こり
夢の様な日々は過ぎ去り
愛が終わり
彼女を 失った時
彼は 彼女を失った事を 認めようとはせず
それを認めるくらいならと 死を選んでしまった。

なぜ 彼は そこまでの事をしたのだろう・・・?

それは こう言う事だ
彼は 彼女との 愛の中において
まったく 新しい自分を発見していた。
殻から抜け出ている自分
その自分の爽快感
その自分の楽しさ

愛をきっかけに 以前の冷たく重い自分は 
まったく過去のものと なっていた。
その愛の中で生まれた 新たな自分は 
彼女が与えてくれたものであって 
彼女を失う事によって 
新たな自分さえも失ってしまう気がした。

もう あんな昔の自分には帰りたくないし戻りたくなどない
今の この新たな自分が無くなってしまうという事は
昔の 惨めな自分に戻るという事だ
そんな事よりは 死の方が まだ ましだ!
その結果 自殺を選んでしまったのだが・・・。
事実は違う。

彼女は 単に手を貸してくれただけであり 
実際には 全部 彼自身が起こした事だった。

だから彼女を失ったところで
本当は 無くしてしまうものなど
何 ひとつ無かった
むしろ この事実に気づく事が出来て
たった独りでも 新たな自分は失われないという事を
発見し 軽やかに歩んでいく事が出来たろう。

だが ここまでの事に気づくのは非常に難しい。
何故なら 彼は 彼女によって
こうなったと思い込んでしまっている。

彼自身が 彼女に対して開いたから
彼女は 彼を 理解できた。
別に 彼女だけが 彼を 理解できる 訳ではない。
本当は 彼が開けば 誰もが彼を理解する事ができる。

だが 彼は 自分を理解できるのは
彼女だけだと思い込んでしまっていた
それは初めて 自分を 理解して貰えたからだ。

けれども 彼女が彼を理解する事が出来たのは 
あくまでも 彼が開いたからだ
彼が初めて開いたからだ
それは 彼自身のした事だ。

これらの事実に気づいていない時の 愛は苦しい。
彼女を失うと言う事は
自らも失ってしまうと言う事に
繋がるからだ・・・。

だから 彼女を絶対に失いたくなかった
もしも失ってしまった場合には「死」しかない

だって彼女を失ってしまったら
それだけで その愛の中に居た 新たな自分も
自動的に死んでしまうことになる。



彼は病院から退院した時に
半分だけ それに気づいていた
空の青さ 木々の緑 頬を撫でる風を感じて
自分が生きている事を感じ取った時に
半分だけ気づいた。

半分だけ気づくというのは
夢を見ているような感覚が半分だ

それは その時は 確かに ハッキリ見える
だが 夢と同じく すぐさま忘れ去ってしまう
消え去ってしまう。

彼のが丁度 似た様な感じだった
今 現在リアルなのは
この風であり 木々の緑であり 空の青さなのに
彼の全身で感じている この感覚こそが 全てであるのに
そこに 今は もう終ってしまっている 過去の記憶が
邪魔をする。

過ぎ去った日々は
もう 既に消え去ってしまい 二度と帰らないものなのに
それを 彼は必死で 忘れようと努力してしまう

これは無理だ
記憶は記憶で現実じゃない
もう既に終ってしまっている事
その現実は もう遠い過去という時間の中に
流れ込んで行ってしまった事を 知るだけで良いのに

彼はそれらを 心の中に しっかりと仕舞い込んで
再び それを消す為の旅に出てしまった。
目の前に有ることに 夢中になる
夢中になれば なるほど
心の中に有る事を 忘れる事が出来る
彼は こんな生き方を開始してしまった。
形の上では確かに変わった
だが 私に言わせれば 全然 変わっちゃいない
流れは同じだ

だって 彼女と出逢った時
それまでの 全てに嫌気がさしていて
それらを忘れる為の物が 彼女との愛だった。

今度は その愛で傷ついた自分を
忘れる為に 何かに熱中する。
彼は 愛の後 ひとつのテクニックを身に付けていた。

目の前にある物事に熱中する
それに熱中している間は
何もかもが 忘れられる。

愛を通して 彼は 努力を学んだ
物事に 熱中することを学んだ
だが その努力の質は 少しばかり問題だ

なぜなら
何かを忘れる為に熱中する 努力する
本当は努力をしたいんじゃない
熱中したいんじゃない
彼のそれは 過去にあった
一切の嫌な事を忘れたいんだ
それが彼の 努力の 熱中の下に隠されている目的だ

あなたは酒乱の人の事を知っているだろうか
酒乱の中の多くの人達に見られる傾向は
彼等は お酒が好きなわけじゃない
お酒を飲む事に 何か別の目的が有る。
お酒を好きな人は 美味しく 楽しく飲む
好きな人は 楽しむ為に 飲んでいるから
大した量じゃない

ところが酒乱の人ときたら
自分が解からなくなるほど飲む
自分を忘れたい
嫌な事の一切を忘れたい。

これが目的だから 飲む量も半端じゃない。
その人達は 自分の過去に 
忘れたいほど嫌な体験や 悲しい思いが有る人達ばかりだ。

その証拠に 過去の嫌な体験が 癒され 消え去ると
その人達は 元々 体質的に 
お酒が身体に合わずに飲んでいたは人は 
一滴も飲まなくなったり
身体に合う人でも 自然に適量に変わっていってしまう。

酒乱の人達は
お酒で忘れようとする・・・。
彼のは 目の前にある物事に
熱中する事で 忘れようとする。

どちらも同じだ
何かによって酔っ払う
愛で酔っ払う
SEXで酔っ払う

本当は それ自体をしたいんじゃない
それをするのは 何か別な目的が有る その為にする

その目的は 一切の嫌な事を忘れたい
ただ それだけだ。

なのに 世間の人達は
酒を飲み 嫌な事を忘れ様とする 酒乱の人達を悪く見て
凄まじい程 努力する事によって
嫌な事を忘れようとしている仕事埋没人間を
良く見てしまう。
だが摂理は 世間の人ほど 
寝ぼけた目は 持ってなどいない
この どちらの人の上にも
破壊をもたらし
その行為をストップさせようとする。

その馬鹿さ加減を
目覚めさせようとする。

事実 彼にも それが起こった。
そんな生き方をして
丁度10年後に
それは 起こる事になる。






自分の心の育て方
http://ameblo.jp/ningen-monogatari/








































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Last updated  2019.09.21 09:14:34
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