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先日のことであった
NTTと語る電話が多いことは大五郎にはわかっていたが その電話はどうでも切ることができなかった 娘のお絹が毎回「とにかく話の途中でもあれ、切ってもいいのよ」と言っていたはずなのにビビりの大五郎は話の途中でかかってきた電話をやみくもに切るのは大罪にあたる如くできないことがしばしば 結局いつもパソコンを使用しているお絹のことや加盟しているブロバイダー名を語るということで終わる 個人情報祭り 大五郎は重要である個人情報をバラしているつもりはないらしくちっとも悪びれる様子がない 毎回お絹に注意されるが高齢のためか性質のためか都合良く忘れまた同じことをしでかす お絹は毎回なので諦めていたが今回は自分に電話が回ってくることに怒りを覚えた お絹は電話が嫌いであったさらに見ず知らぬ人からの電話であるし食事中だったので邪魔くさかった 一様世間様に合わせなくてはいけないとは思ってはいるが苦手な電話に食事中に日がしずんでどっぷりと辺りは闇 いい気持ちがちっともしないけれども電話を父から受け取った 女性だった恐らく20代 早口 まくしたてられる こちらに疑問を抱かせないトーク こいつ上手いとお絹は思った だがNTTということもあって素直に答えていた 最近ブロバイダーを変えないもののコースを変えていた、その方が料金が安くなるらしくブロバイダーから封書で勧められ意向に従った 追加のルーターが届き設置して完了と思ったものの、これでは料金は安くはならないと女性は言ってインターネットのNTTの公式ページを開くよう進めた 5時間前に用事があって電話連絡が必要となり子機を取ったら充電切れで使えなかったことを告げ今はできないと答えた パソコンはお絹の部屋にありお絹は病気で自力では歩けないので子機が必要だった 明日は一日家にいるので14時ぐらいにかけなおしてもらうことにした 今思えばそれが良かったのかもしれない 布団に横になって思い出していた。女性の電話の周りでの焦った声。男性の電話トーク。 気になった。 NTTがいきなり電話をかけて支持するだろうか、封書かハガキのお知らせではないかあの電話の向こうの異様なガヤガヤ 明日。NTTを検索して不審なことが起きていないか調べてみようと思った お絹は初めてそれを知るにあたりまず疑いから入るのがいつものことだった 優しそうに見えても人がよさそうに見えてもいつも人を見ていて冷笑しているところがある 翌日NTT西日本の公式HPで「NTT西日本を名乗る不審な商法にご注意」というのがあった 回線を切り替えることや転用承諾番号を聞き出す手口 ふーん、なるうほどとお絹はニヤリとした あの電話は今日14時ぐらいに掛かってくるはずだからそれがそれらに一致するとなればこんなにワクワクすることはないと 日中雨雲で暗くなることにときめきを抱いているお絹は我が家に舞い込む事件の予感に胸を震わせ いつも昼食の後は昼寝をするもののちっとも眠くならなかった、気分向上 14時少しすぎて電話が鳴った まさに飛んで火にいる夏の虫かなとお絹は思った 電話を受けると早速パソコンへ インターネットが直ぐに出来る体制を作っていた。それぐらい楽しみにしていたら 検索のタイトル入れに¨転用¨を入れるよう指示 キタ―キタ― これかー 転用承認番号のやつかー お絹はまるで何も知らない乙女如く転用のページを開き 記入欄を埋めていく 危ないという所になったら不審がると決めてそれまでは一様付き合うという予定通りに 暇だったからというのもあるが お絹はこのスリリングな遊びにときめいていた ひかり電話番号記入指示 この電話番号は知られているからオーケーとする 契約者名記入指示 うーん、父である大五郎の名、もう不審がる段階とはもっと遊びたかったのに、お絹は残念であった 「あれれ、この画面見たことある。あれ、本当にNTTさんですか? 結構これ重要なことですけど電話でいきなり言いませんよねーまず封書かハガキでお知らせで、それにキャッシュバックは契約してから一年後ではなかったですか?」 と言う設定だったものの途中で電話を切られたためいきなし終わってしまい不完全燃焼 しかしお絹は自分の考えが間違いなかったことが誇らしくまた久しぶりのスリリングを味わえたことを幸せに思えた セールスの電話は絶えない今、次はどんな手がくるのかをほくそ笑んで待つお絹であった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017.06.15 15:32:45
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