2020/01/07(火)22:59
知らぬ間に大盛り
さて、Ryzen9 3950Xのお話です。
とりあえず、次のような構成で組むことにしました。
構成
CPU:AMD Ryzen9 3950X
CPUクーラー:AMD Wraith Prism(2700X付属リテールクーラー)
マザー:ASUS B450M-Pro GAMING
メモリ:Kingston DDR4-2666 8GB×2枚
ビデオカード:RADEON R5 230
SSD:Intel X25-M 80GB
電源:Antec EarthWatts EA-550-PLATINUM
本体ケース:CoolerMaster Elite361
OS:Windows10 Pro
その他:キーボードマウスレシーバー、無線LANアダプタ
構成については前回十分吟味し、何も問題ないことが確認されているためいいとしまして、まあとりあえずはデフォルトで動かしてどうなるか、といったところですね。
とりあえず、マザーボードは3950Xが動くBIOSにはしてあったのですが、さらに新しいバージョンが上がってたので更新しておきました。
メモリ
8GBのメモリ1枚だったので、8GB×2枚とすることに。
今ストックとしてあるのは
・G.Skill DDR4-3600 8GB×2
・Kingston DDR4-2666 8GB×2
絶対性能を求めるならG.Skillですが、まあ、BOINC機なのでDDR4-2666の方で十分ですね。
G.Skillは電圧高め(1.35V)ですしね。
単に3700Xを3950Xに入れ替えただけですので、Windowsも特に問題なく起動します。
まあ、メモリの挿しがが甘かったのか、ビデオカードが調子よくなかったのか起動させるまでに緒ちょっと苦労しましたが。
で、Windowsが立ち上がったらまずは
32スレッドですね
まあ、最近はスレッドのインフレが起きてますから感動もだいぶ薄くなってきました。
Ryzen7 1700の8コア16スレッドはかなり感動したもんですけど。
慣れってイヤですねぇ。
んで、無事に起動しましたが、ここで求められてるのはベンチでもなんでもなく消費電力だと思いますので、消費電力を測ってみることにします。
発売直後ってわけでもないですからベンチはこれでもかってくらい上がってますしね。
とはいえ、いつもどおりみんな大好きCineBench(R20)はやっとくことにします。
あと、今回はCPUクーラーがWrithPrism、ようするにリテールなので温度も気になるところですからHWMonitorを使って温度も調べてみることとします。
Ryzen9 3950X 消費電力 設定:デフォルト 室温17℃
アイドル時 49W 3.2GHz周辺 40℃
Cinebench時 マルチ :185W 3.85GHz 67℃ スコア:9014
シングル: 77W 4.46GHz 58℃ スコア:526
Prime95 166W 3.51GHz 66℃
BOINC 185W 3.82GHz 70℃
あれ、ちょっと意外な結果です。
3900Xと比較すると、例えばCinebench実行時
CineBench(マルチ時)設定:いずれもデフォルト(以下同じ)
3900X 207W 4.1GHz スコア:7249
3950X 185W 3.85GHz スコア:9014
コア数が多い3950Xの方が消費電力が少ないのはクロックの差なんでしょうけれども、それでいてスコアは3950Xの方が上になるんですね。多スレッドの恩恵ですねぇ。
また、BOINC実行時も
3900X 207W 4.025~4.05GHz
3950X 185W 3.85GHz
と、3950Xの方が消費電力が低くなります。
仮に消費電力のリミット値が同じであれば、3950Xはもう少しクロック上がりそうなんですけどね。一応温度も70℃ですし。
というわけで、3900Xの時よりも明らかに消費電力が増えるであろうと予想していたので、ちょっと意外な結果でした。
次に、クロックを固定して消費電力を測ってみます。
固定するクロックはいつも通り3.6GHzと3.4GHz。単に他のCPUでもこのクロックに固定してデータを取っているので比較がしやすい、そんな理由です。
というわけで、ClockRatioを36倍にしました…が、
Ryzen9 3950X 消費電力 設定:3.6GHz固定 室温17℃
アイドル時 52W 36℃
Cinebench時 マルチ :227W 78℃ スコア:8417
シングル: 63W 45℃ スコア:419
Prime95 315W 105℃
BOINC 235W 86℃
待て
待て待て待て
ちょっと待て
単に倍率を36倍に固定しただけでなんでこんなことに?
ちょっと調べてみたところ、クロックは設定通り36倍の3.6GHzで動いています。
その証拠にCineBenchの結果はデフォルトとの時よりもだいぶ落ちています。
それでいて、消費電力だけがものすごい上がってますね。
というか、105℃はアカンだろう。焼き鳥の再来かと思ったぞ。
(まあ、焼き鳥の場合は気づいたときにはもうきれいに焼き上がってますけども)
クロックが下がっていながら消費電力が急上昇しているということは相当高い電圧が印加されていると考えられますが、もちろん電圧の設定はいじくらず「Auto」ですし、HWMonitorで見るところ各コアの電圧は1.1V近辺で、これはデフォルトの設定とほぼ変わっていませんし…どうしたもんでしょう。
まあ、結果から言えば、「高い電圧がかかっていたせい」でした。
再起動し、BIOSを確認したところ電圧の設定はAutoなのですが、状態を見るとコア電圧が1.3Vになっていました。
それであればHWMonitorで気づきそうなもんですが、なぜか今回HWMonitorの電圧はどういう状態であれ1.1V付近のまま変わらない(この後電圧下げなどを行って電圧を変化させてもずっと1.1V周辺を示したまま)。
まあ、相性なのか未対応なのかマザーから出てる情報がおかしいのか、そんな理由で正確な情報が出てこなかったわけですね。
というわけで、とりあえず手動で電圧を1.1Vにしたところ
Ryzen9 3950X 消費電力 設定:3.6GHz固定 電圧:1.1V 室温17℃
アイドル時 52W 36℃
Cinebench時 マルチ :158W 60℃ スコア:8391
シングル: 55W 44℃ スコア:418
Prime95 203W 71℃
BOINC 164W 65℃
とまあ、それなりな値に。
一時期はどうなることかと思いましたけど、ここからはいつも通り電圧下げの下限を調べて消費電力がどれくらいになるかを調べてみたいと思います。
んで、いつも通りですが、消費電力がだいたいどれくらいになってくれたらうれしいか?を出してみます。
電圧下げ時のBOINC実行時消費電力
3700X機 8C16T 3.6GHz 73W
3900X機 12C24T 3.6GHz 112W
です。
なので、ものすっごく単純に計算すれば、
73W×(16/8)=146W
112W×(16/12)=149W
であり、これってようするに3700X機2台分(または3900X機4/3台分)でなので少なくともこれらよりは下回ってくれないと困る、という値です。
まあ、実際には最小構成で130Wくらいになってくれればまあ良し、120Wを切れたらすばらしい、といったところでしょうか。
電圧1.1Vで164Wということは、ビデオカードが載っているということを考えてもまだまだ高めですから、次は一気に1.0Vまで下げてみます。
というか、たぶんそれくらいまで下がらないようではちょっとしんどいと思われますから。
Ryzen9 3950X 消費電力 設定:3.6GHz固定 電圧:1.0V 室温17℃
アイドル時 47W 36℃
Cinebench時 マルチ :135W 52℃ スコア:8391
シングル: 53W 36℃ スコア:418
Prime95 169W 65℃
BOINC 136W 55℃
136Wですが、このマシンにはビデオカードがささっている(そりゃダイに映像出力する機能がないんだからビデオカードがささってるのは当たり前なんですけども)ことを考えれば、とりあえずの目標130W切りは達成できそうです。
と調子に乗って0.95Vまで下げてみたものの、Primeが通らずダメ。
ちょこちょこ調整しまして
Ryzen9 3950X 消費電力 設定:3.6GHz固定 電圧:0.9875V 室温17℃
アイドル時 47W 32℃
Cinebench時 マルチ :133W 51℃ スコア:8358
シングル: 52W 37℃ スコア:418
Prime95 161W 65℃
BOINC 133W 54℃
これくらいですかねぇ。
ビデオカードなしの最小構成で124Wといったところでしょうか。
とりあえず目標は達成です。
あと、BOINC実行時の温度もだいたい50℃中盤ということで、仮に真夏になって室温が40℃になったとしても80℃行くか行かないか程度。
電圧下げて使えばリテールクーラーでも十分使い物になりそうです。
と続いて3.4GHzの時を調べようと思いますが、長くなったので次の機会に。